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THE UNBEARABLE WEIGHT OF MASSIVE TALENT / マッシブ・タレント(2023年3月24日劇場公開)
このタイトルは文芸大作映画『存在の耐えられない軽さ』ですね。ただ軽さではなく、重さになってます。これはニコラス・ケイジが多才故の苦しみをテーマにした映画。ただパロディ調でどこまでも明るいコメディです。
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本作にはニコラス・ケイジの90年代の傑作群が次々登場します。まず『フェイス・オフ』。
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それから『ザ・ロック』、ニコラス・ケイジがハリウッドで最も活躍していた時代の映画です。
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アクション映画だけでなく、ニコラス・ケイジは『コレリ太尉のマンドリン』という文芸大作にも出演していました。
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その本物のニコラス・ケイジのキャリアのまま本人が本人役を演じています。ただ混乱を避けるために劇中では主にニック・ケイジと呼ばれています。しかも何と一人二役でイケてた頃のニコラス・ケイジ(劇中ではニッキー)も本人が演じています。ニッキーはいわばアルター・エゴ。
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劇中には大切な映画として、『カリガリ博士』となぜか『パディントン2』が登場します。それらを見る必要はありませんが、それぞれどんな映画かくらいは知っておいた方が楽しいでしょう。
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とのかく秀逸なのがパロディが本当になり、その本当も実はパロディだったという入子構造の脚本です。そういう意味ではニコラス・ケイジの曼荼羅映画です。海外ポスターで曼荼羅ヴァージョンもあります。
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映画の着地もちゃんと感動的なところに収まるので、ニコラス・ケイジのファンもそうでない人も映画として十分楽しめる作品です。
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