NIGHTMARE ALLEY / ナイトメア・アリー(2022年3月25日劇場公開)
ギレルモ・デル・トロのストーリーテラーとしての本領発揮です。
ウィリアム・リンゼイ・グレシャムの原作の2回目の映画化。原題文字通りは「悪夢の小道」ですが、ここでのalleyは闇稼業の意味でしょうね。
スタン・カーライル(ブラッドリー・クーパー)の半生。彼の周りは犯罪に満ちています。それをブラッドリー・クーパーが演じると甘ったるくなるのが逆の狙いかなと。
よりノワール色を強調するために、アメリカでは "VISION IN DARKNESS AND LIGHT"ヴァージョンも公開されました。
第3の目でしょうか、メンタリストとしてのキャリアを積む前半とそれを使ってのし上がっていく後半でストーリーの展開速度が大きく違います。
ジーナ(トニ・コレット)がプロフェシー的な役割ですが、脚本上あまり機能してはいませんでした。
スタンの恋人モリー(ルーニー・マーラ)も映画に華を添えこそすれ、常識的な役どころだったので、印象が薄かったです。
やはりドクター・リルスを演じたケイト・ブランシェットがピカイチでしたね、ファム・ファタールポジションが今いちばん似合う俳優。
ブラッドリー・クーパーも好演には間違いありません。こうやって俳優のことばかりが印象に残るのは、ギレルモ・デル・トロの映画作家としての更なる成長の証でしょうね。安心して見ていられます。