RESIDENT EVIL WELCOME TO RACCOON CITY / バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ(2022年1月28日劇場公開)
予告編で見る限り、面白そうだったので観ました。
しかしながら、ゲーム版への原点回帰を謳った映画が映画として面白いかというと必ずしもそうでもありませんでした。
ラクーンシティはアンブレラ社により見捨てられた街。であればその理由をめぐるストーリーが展開されるのかなと思って観てました。それを映画を見るときの拠り所として。
クレア・レッドフィールド(カヤ・スコデラーリオ)が狂言回し役です。彼女は何もしなくても事件が起こる現場に偶然居合わせるというご都合主義が過ぎる立ち位置。此では感情の寄せどころがありません。
ラクーンシティの住民側にしても被害者というだけのモブキャラばかりで物語の相剋が全くありません。つまり見せたい舞台設定はあるもののその中にあるべき物語が希薄なんです。
アンブレラ社の陰謀というより無責任な移転によりTーウィルスが広まってしまったラクーンシティをどうしたいのか誰にもわからないので物語の行く先が溶解しています。
日本版ポスターの面々も元から警察官ばかり、ゲーム版の設定を尊重しているのは分かりますが、ストーリーテリングを効果的に行うにはキャラの肉付けが致命的に足らないと思います。