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IN RESTLESS DREAMS: THE MUSIC OF PAUL SIMON / イン・レストレス・ドリームズ : ザ・ミュージック・オブ・ポール・サイモン
全2章からなる、ポール・サイモンの音楽と人生についてのドキュメンタリー。ここ最近の音楽ドキュメンタリーの中では出色の出来です。いや最高傑作と言っても過言ではありません。
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最新アルバムの『Seven Psalms: 七つの詩篇』のメイキングという体裁なんですが、その過程で本人の口から過去の話が出てきた途端に圧倒的な映像に証言ナレーション(本人の場合もあれば、関係者の場合もあります)が被せられメモワールパートが始まります。そのパートはもちろん時系列に沿っているので実にわかりやすい構成。
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さすが、『「闇」へ』でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したアレックス・ギブニーだと思います。ドキュメンタリーの構成が本当にわかりやすく、観客が退屈しないようにノン・リニア手法という演出プランがハマっています。
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第1章が主にサイモン&ガーファンクル時代、第2章はソロ・アーティスト時代です。第1章はアート・ガーファンクルとの決別の真相が語られる寸前で終わります。
第1章の見どころはやはりサイモン&ガーファンクルの誕生秘話ですね。特にロンドンでのライブ生活からのニューヨークへの帰還にまつわる物語が実にドラマチック。映画化するならそのパートを中心にしますね。
第2章の見どころはやはりTVショーの”サタデーナイト・ライブ”をきっかけにエンターテインメント業界に身を置くことになったポール・サイモンの転落の人生が語られるパートとそこからの大逆転人生です。
とにかく、ドキュメンタリー映画としてポール・サイモンの魅力を余すことなく伝えられている上に、エンターテインメント作品としての面白さも同時に実現しているところが凄いと思いました。
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