CALCINCULO / スイングライド
全てが清々しい。キアラ・ベッロージ監督の感性でしょう。
イタリアには移動遊園地が各地域を巡回しています。その中でも人気のスイングライドのことをイタリア語でCALCINCULOと呼ぶのです。”ケツを蹴っ飛ばす”と言う意味もあるそうで肥満症で自分に自信がないベネデッタ(ガイア・ディ・ピエトロ)をアマンダ(アンドレア・カルペンツァーノ)が文字通り尻を引っ叩いて目を覚まさせるのです。
アマンダはトランスジェンダーです。そのサバサバした性格と妙に達観したところのある眼差しを的確に捉えた数々のショットがどれもキマッてました。
上映後のティーチインで監督が語っていたのは主役のベネデッタのオーディションの苦労話とアンドレア・カルペンツァーノの演技の素晴らしさでした。往年のイタリア映画ファンには『道』のような話だと思うかも。オマージュを捧げたのですかと聞いたけど、その質問は取り上げられませんでした。
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