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PAIN&GAIN / ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金】(2013)にみるアメリカンドリームの終焉
アメリカ映画を語る上でアドルフ・ズーカー創業の(最初は「フェーマス・プレーヤーズ」)パラマウント映画製作の映画を観ていくことから始めようと思います。
人気スターの出演作を製作して大ヒットに導くという手法がパラマウントの伝統なら、この作品もパラマウントらしい映画。
「マイアミ、マッスル、マネー、マーダー」この4語で本作の内容がちゃんと表されています。
キー・ヴィジュアルを担うのはマーク・ウォールバーグとドウェイン・ジョンソン。「大きなアメリカンドリーム映画」に相応しい配役。
物語の後半になって、エド・ハリスが出てきたりします。
脇役のアンソニー・マッキーもレベル・ウィルソンも今では大スターですから、キャスティング重視のパラマウントの伝統は色濃く残っています。
実際のクライムストーリーを元にしていながら、コメディーと派手なアクション寄りに演出をコントロールするにはうってつけのマイケル・ベイが監督。
この作品を機に映画におけるアメリカンドリームの位置付けがある種の終わりを告げたと思います。
そもそもアメリカンドリームという言葉を最初に使ったのは歴史家のジェームズ・トラスロー・アダムズ。
1931年の著書「米国の叙事詩」で、誰もが能力と実績によって機会を与えられ、より良い人生やより豊かな生活を実現できる国がアメリカだと。
ただこの映画の主人公の言うアメリカンドリームはもはや拝金・排他主義の安っぽい目標に過ぎず、そのことをあざ笑う映画です。
この映画のプロテインボトルのポスターは、本来の意味でのアメリカンドリームは終わったと感じさせるに足る強烈なシニシズムです。
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