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INFINITE STORM / インフィニット・ストーム
リーアム・ニーソンが孤高の男を演じ続けているように、ナオミ・ワッツも孤高の母親を演じ続けていますね。フィルモグラフィ自体がその俳優のアイデンティティになるというのは実は大変な選択。
しかも本作は実話。
印象的なセリフがありました。
Anyway, it's cheaper than therapy and the mountains always listen; they never talk back. (とにかく、セラピーより安いし、山はいつも話を聞いてくれるし、言い返すこともない。)
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パム(ナオミ・ワッツ)はホットコーヒーを淹れてもらうカフェの店主にそう言って、今日もトレイルに出かけるのです。
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彼女がそうまでして冬山登山に臨む理由が明かされる最後で全ての行動に納得がいくのですが、見ている間はほとんど彼女の悪戦苦闘です。大変です冬山は。わかってはいますがブリザードと寒さと体力の消耗の表現はなかなかのものです。
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そんな中、軽装で座り込む人(劇中ではジョンと名付けられます)を見つけます。ここからがさらに大変。とにかく山の厳しさとそれでも生き残ろうとする二人の姿が胸を打ちます。
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絶え間ない嵐というタイトルなのですが、実はある言葉が省略されています。山登りの哲学的な深淵が見える瞬間を映し出せたことで成功作だと言えます。
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