TO LESLIE / トゥ・レスリー(2023年6月23日劇場公開)
アンドレア・ライズボローの圧巻の演技でアカデミー賞主演女優賞にノミネート。
彼女がこの作品で演技賞の候補になることには何の不思議もないし、今年のアカデミー賞のように強力なライバル(ケイト・ブランシェット、ミッシェル・ヨー)がいなければかなり受賞の確率も高かったと思います。
特に中盤、バーでひとり佇む様子の内面の表現力は、バックにかかっているウィリー・ネルソンの"ARE YOU SURE"の助けも借りて、この映画の大きな見せ場になっています。
いわゆる目鼻立ちのくっきりした女優顔ではなく、サッドフェイスの彼女の内面から滲み出る悔悛の想いの表現には心打たれます。ただちょっとアカデミー賞候補になったことがスキャンダラスな言われ方をされてそれに対しては同情を禁じ得ません。
サウンドトラックがまた良くて、アメリカの原風景に触れたような気分になります。
物語の舞台になっている、モーテル、バー、遊園地などが70年代のアメリカ映画を見ているような懐かしさが感じられてプロダクション・デザインも素晴らしかった。
ただ、有名俳優が全く登場しない、アメリカのインディペンデント映画を買い付けて劇場公開する配給会社はないでしょう。
(追記)予想に反し、日本での劇場公開が決まりました。