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NEWS 頂点を極める! WBLC2023/ワールド・ブルース・リー・クラシック2023がスタート。倉田保昭先生が語る70年代香港映画とブルース・リーという存在

 さる7月14日、ブルース・リー没後50年を偲んでWBLC2023(ワールド・ブルース・リー・クラシック2023)が東京は新宿ピカデリー、大阪はなんばパークスシネマにて始まった。その初日、新宿ピカデリーでは今回の特集をプロデュースした映画評論家・江戸木純がブルース・リーに先駆けて香港映画界で活躍していた“和製ドラゴン”こと倉田保昭をゲストに迎え、ブルース・リーとの交友、彼の映画、そして彼の死についてトークを展開した。
 白いマオカラースーツに身を包んで登場した倉田先生(上映されたのが『ドラゴン怒りの鉄拳』英語版だったので、どうしてもTeacherと呼んでしまう)はスペインの映画祭に参加するので本日の登壇になったとのこと。まだまだお元気なのだ。長く映画の世界で活躍してきた倉田先生にとって、ブルース・リーが残した作品でも『ドラゴンへの道』への思いが強かった。流石の炯眼だ。『ドラゴンへの道』はブルース・リー自ら監督・主演を務め、アクションからコメディまで様々な要素を盛り込んだ一級の娯楽作だ。今観ても色褪せることない面白さで迫る傑作だ。

ブルース・リーが映画作家としても優れた存在であることを
証明した『ドラゴンへの道』 (C) 2010 Fortune Star Media Limited.All Rights Reserved.

 トークショーの後に上映された『ドラゴン怒りの鉄拳』。上海が租界だった時代、レイシストの日本人武闘家たちに一人立ち向かうブルース・リー。マイク・メレディオスのオープニング・ソング、英語吹替版での上映は、本作が今から49年前の1974年7月に日本で『怒りの鉄拳』が初めて公開されたときと同じコンディションだ。あの伝説と化したラストのストップモーションでは満席の会場が自然に拍手に包まれたのも49年前と同じだ。
 上映スクリーンのシアター3を出ていくとき、リアルタイムで衝撃を受けた世代からその子供世代までの老若男女が皆「かっこいいな!」「面白かった!」と口にしていた。これも1974年・夏の上映から変わらない光景だ。ショップにはパンフレット(読み応えあり)やブルース・リー充電バッテリー、そして上映が始まる前にチェックしたらヌンチャクも売っていた。帰途につく前、もう一度ショップを覗いてみると、ヌンチャクが見事に売り切れていた。14日の夜、ブルース・リーの勇姿を見て、ヌンチャクを手にしなければ気持ちがおさまらないドラゴン志願者がまた誕生したのだ。
 ちなみに余談になるが、アメリカはハリウッドに作られた博物館ハリウッド・ミュージアムには『燃えよドラゴン』でブルース・リーが使ったヌンチャクが展示されているという。町山智浩が現物を見ると、それは木製の本格的なものだったという。
 WBLC2023、7月20日の命日に江戸木純はなんばパークスシネマで追悼イベントを開催する。関西のドラゴン諸君はオニツカタイガーを履いてスクリーンに集い、ブルース・リーへの思いを新たにしよう。(本文一部敬称略)

ブルース・リー没後50年 WBLC2023 ワールド・ブルース・リー・クラシック2023 新宿ピカデリー、なんばシネマパークスにて上映スタート
『ドラゴン危機一発』『ドラゴン怒りの鉄拳』『ドラゴンへの道』『死亡遊戯』『死亡の塔』の香港5大傑作の最初で最後の一挙上映。

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