“映人仲間”第十二回『音楽 杉野清隆さん 題字 道田里羽さん』
映画『初めての女』の原作『俳人仲間』(新潮社)になぞらえて、本作の監督・小平哲兵が撮影当時のキャスト陣とスタッフ陣を振り返ります。
題字の道田さん
12回目は、音楽を作ってくれた杉野さんと題字を書いてくれた道田さんについて振り返っていきたいと思います。
道田さんとは、つい最近3ヶ月程前に題字の件で知り合ったばかりだが、僕は勝手に気が合う昔からの仲間のような親近感を抱いている。
それは、題字のイメージを伝えていく中で作品の経緯や作品に懸けた想いを話伝えている時、彼女はとても真摯に向き合ってくれている事は勿論のこと、私の分かりにくい言葉の表現にもちゃんと理解してくれたからだ。
表現したモノを愛する心
更に、幾つか書いた時も、相手に伝わり易い言葉を選んでくれて、私も接していて非常に勉強になった。
そして、自分の意思を表現する事が好きなこと、表現したモノを愛する心が伝わったので、僕らの方も変な気を使うことはなく向き合わせて貰えた。
出来上がった題字に関しても見ての通り、作品を上手く捉えていて花丸だな〜と題字を見る度に思う。
作品に携わって頂いたのは、約3ヶ月程の期間だったが彼女は紛れもなくこの作品のスタッフだ。
ありがとう。
音楽の杉野さん
杉野さんとは、私の一作目、短編映画を作った時から音楽を作って頂いている。
かれこれ、9年くらいの付き合いになっている。
石川県にて、実際にお会いして話した事は今までに数回しかないが、毎回杉野さんの言葉はなんだか心に深く残っている。
作中では二曲使わせて頂いているが、一曲目の「帰り道」という曲は歌詞は劇中では流れないが、玉という女性へのイメージがバッチリ合うので採用した。
主題歌の「短冊」は聴いて貰えればわかる通り作品の言いたいことや、言わなかったこと、言っておきたいことの全てを歌いあげている。
半径数メートルの事
前に、杉野さんとお酒を飲みながら話した時に杉野さんが、
「自分の半径数メートルの事を歌っていきたい」
と、言っていた。
僕も全く同意見だ。
自分が表現すること、出来ること、したいことはいつだって自分の心の深い所でしっかりとわかることである事が重要で、それらに心血を注いで丁寧に優しく捉えていくことを杉野さんから私は勉強させて貰った。
渋谷で流れるってさ
さらに、杉野さんは今は石川県に帰郷したが、若い頃は東京で歌手として頑張っていた時もあったらしい。
いざこれからだ!っていう時に、大人から
「君の音楽は渋谷では鳴らない」
と、言われたことがあると教えてくれた。
僕には、その時代に渋谷で鳴っていそうな音楽が重要かどうかなんて事は分からないし、分かりたくもないが、その大人に言いたい。
今度、杉野さんの曲が渋谷で流れるってさ。
杉野さん、作品をわかってくれて、曲を作ってくれてありがとうございました。
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