“映人仲間” 特別回 映画『初めての女』感想俳句会 ~句会編~
映画『初めての女』の感想を「俳句で考えよう」
“慶応義塾大学俳句研究会”の皆さまのご協力のもと、公開前イベントを開催しました。
田端周辺を散策し『初めての女』についての感想を俳句で詠んでいきます。
※慶応義塾大学俳句研究会の皆さまは、事前に映画を鑑賞しております。
俳句を書いていこう
選手交代
ここからは、進行をプロデューサーの羽石さんから、
バトンタッチをして『慶應義塾大学俳句研究会』代表の清水瞳美さんが
句会の進行をしていきます。
やはり、俳句は書く上でもルールがあるようです。
分かち書きは ✕
分かち書き(わかちがき)とは、文章において語の区切りに空白を挟んで記述することです。
良くテレビなどで、俳句を見やすくするため
〇〇〇〇〇(上五/かみご)
〇〇〇〇〇〇〇(中七/なかしち)
〇〇〇〇〇(下五/しもご)
を分けて書く傾向にありますが、
本来、この書き方はNGです。
切れ字は一字まで
俳句の切れ字とは、句切れと呼ばれる区切りで使われる言葉で、俳句に抑揚や余韻を与えたり、読者の想像力を刺激したりする役割があります。
かつては「かな」「もがな」「し」「じ」「や」「らん」「か」「けり」「よ」「ぞ」「つ」「せ」「ず」「れ」「ぬ」「へ」「け」「に」の18種類が定められていましたが、現代俳句では「や」「かな」「けり」の3種類が主に使用されています。
使用すると俳句にキレができますが、
使用できるのは一句につき一字まで。
切れ字は句を強調する意味なので、
強調が句に何個も出てくると、どれがメインの言葉なのか、
分からなくなるので限定されています。
季語もいろいろ
ここで、プロデューサーの羽石さんが
「因みに夏の季語は?」
「沢山ありますよ。生活だったり、天文だったり」
季語はおおむね、5000語を超えていると言われています。
手渡された歳時記の分厚さを見ると納得です。
「それでは、15時まで書いていきましょうか」
清水さんの一声で、映画チームに焦りの色が見られます。
「まずい、時間がない……」
俳句を選んでいこう
下書きを一カ所に
下書きを一か所に集めて清書をしていきます
下書き用の小さな紙をバラバラに配り、
配られた句を大きな紙にサインペンで書き込んでいきます。
「やっぱり、上手いなあ」
監督がポツリと呟きます。
俳句研究会の皆さんの句があまりにも上手で、
映画チームは、清書する手も恥ずかしいです。
いよいよ俳句の貼り出し
清書された大きな紙が、
次々にホワイトボードに貼り出されます。
ここからは、句を鑑賞する時間を5分ほど取り、
自分が良いと思った句を選んでいきます。
特選(最も良いと思った句)→1句
並選(次に良いと思った句)→2句
発表の仕方
自分の選んだ句を発表していきます。
その際には、選ぶための形式があります。
例えば、
プロデューサーの羽石さんが句を選ぶ場合は
「羽石龍平、選。“羽”の一文字でお願いします」
と答えます。
選んだ句の側に
“特”や“並”そして、選んだ人の名前の一文字が書かれていきます。
一席・二席が決まる!
次々に、自らが良いと思った句を発表していきます。
そして、
選ばれた句の票を数えていき……
一席と二席の句は以下の通り!
《一席》
悴むや海を見にゆくまでの道
《二席》
コンビニ前不良漏れだす火蛾の群れ
拍子木も忘れ晩夏の思い人
逢い初めの顔に残れる暑さかな
たくさんのはじめてを経て遠花火
その句を選んだ理由は?
それでは、一席・二席に票を入れた方で
「どうして、その句に票を入れたのか?」
各々が、発表していきます。
一席:悴むや海を見にゆくまでの道
二席:コンビニ前不良漏れだす火蛾の群れ
二席:拍子木も忘れ晩夏の思い人
二席:逢い初めの顔に残れる暑さかな
二席:たくさんのはじめてを経て遠花火
「こういうのも面白いね」
慶應義塾大学俳句研究会の皆さま
今回、映画『初めての女』感想俳句会にご協力下さいましたのは、
慶應義塾大学の皆さま。
俳句会で一席、二席に選ばれた句は全て、
研究会の皆さまの句でした。
映画チームは「さすが」と唸るしかありません。
研究会の皆さまが帰り際に「こういうのも面白いね」
と言ってくれて、本当にこの会を開催して良かったと思います。
ユーロスペースでの掲示
今回、一席・二席で選ばれた句は、
ユーロスペースにて掲示されます。
noteではお名前は発表
(誰が書いた句かを発表することを“開ける”と言います)
しませんでしたが、
ユーロスペースの掲示では
どなたが書いたか、確認することができます。
是非、劇場で確かめてみて下さい。
それでは、劇場でお会いしましょう~👋
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?