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“映人仲間”第十六回『撮影の永仮彩香さん』
映画『初めての女』の原作『俳人仲間』(新潮社)になぞらえて、本作の監督・小平哲兵が撮影当時のキャスト陣とスタッフ陣を振り返ります。
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数人分位に気が利いている
16回目は、撮影の永仮さんについて振り返っていこうと思います。
永仮さんとは前の映画からの付き合いのあるスタッフです。
永仮さんは僕の友人でもあり、大変お世話になっている(迷惑をかけ散らかしている)撮影監督の仁宮さんのお嫁さんでもある女性で、周りがよく見えていて、気が利くチームには欠かすことの出来ない男前な人だ。
撮影前のロケハンでもスケジュールの都合で技術部が永仮さんしか来れなくても、撮影場所の状況やなんかをメモしたり、カメラで抑えたり単身でも数人分位に気が利いている。
集中し過ぎて鼻血を出した時も……
あと、何より彼女はなるべく演出の意図を汲もうと努力してくれる。
監督と作品がどう表現したいのか…現場で脚本に無い演出を付け加えても嫌な顔一つ見せず、相手が力を出し易い状況をカメラマンとして苦慮してくれるそんな人だ。
そして、それは度々カメラマンの枠を超えて1スタッフとしてもやってくれている。
例えば、私が集中し過ぎて現場中に鼻血を出した時も、次からはティシュを用意して、スッと渡してくれたりもする。
勿論、当然の様な振る舞いで、だ。
(鼻に詰めものをしながらのOKをだす光景は不恰好だったが…)
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監督が動くと音がするので毛布が敷かれた
身体が揺れていると……
更には、現場中にコレマタ集中し、私の身体が揺れていると、次のシーンからは私の立ち位置に厚手の毛布が敷かれていた(足音防止の為)
他にも、撮影中に何かの異変を感じ、永仮さんを見れば言葉無くともサッと現場から出て行き解決して、何事も無かったのように戻って来る。
周りが、いかに全力を発揮出来るかを常に考えて行動してくれる。
しかし、都内の仁宮さん夫妻の家に遊びに行ったりすると、アニメの話をしたり、今の漫画のオススメを教えてくれたり、現場での私の奇行をイジってくる、至って普通の同年代の友人だ。
いつも誰かの為
ある日、現場での事なんかを感謝を口にしたことがある。
すると、「小平さんが作品の事で一番悩み苦しんだんだから、私はその判断を無下にはしませんよ」と言っていた。
実に男前だ。
彼女の言葉で心に残ってるものがある、「大人になってしまってからでは、友達とか仲間っていうのは、なかなか出来にくいものなんですよ」だ。
彼女は、一所懸命で必死で、周りの数人のスタッフからは恐れられてる節があるが(笑)一所懸命でいると恐く見えちゃう物で、それはいつも誰かの為で、ひいては作品の為だ。
次の作品も是非とも彼女の力が必要だ。
そして、一つの作品を作りあげていく、同じスタッフとしても勿論だが、何より仲間でもありたいと思う。
ありがとう。
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