“映人仲間”第四回『プロデューサー』
映画『初めての女』の原作『俳人仲間』(新潮社)になぞらえて、本作の監督・小平哲兵が撮影当時のキャスト陣とスタッフ陣を振り返ります。
プロデューサーの柳井さん
四回目は、プロデューサーの柳井さんについて振り返っていこうと思います。
作品が動き始めた頃にプロデューサーを探していた。
企画・脚本チームの三人は、人を介して、新宿駅東南口近くのcafeで待ち合わせる。
14時頃——
彼は、彼の会社の社長とやって来た。
「アカンやろうな」
そこで私達は、企画・現場での拘束日数、現在の状況などを話した。
撮影が合宿スタイルであること。そして、拘束日数が長いことなどを伝えた。
「アカンやろうな〜」私の頭には、その言葉が浮かぶ。
そう思いながら、彼をチラチラと見ていた。
すると、彼は渡した資料を俯き加減で見ながら「俺、やってみたいです」と呟いた。
そこからが、彼と作品と私との始まりだった。
ロマンとソロバン
そこから作品が進むに連れて、私と彼は対立する事が多くなる。
しかし、それは当然だ。
ロマンとソロバン——
そのどちらを欠いても、作品は暗礁に乗り上げてしまう。
それを回避し、良い航路に舵取りをするのがプロデューサーの仕事でもあるからだ。
具体的なエピソードは書けない
なので彼とは最も、裏でも現場でも揉めたのは事実。
そして、助けられたのも事実だ。
撮りこぼしてしまったシーンを、何とかして追加させてもらったり……。
他にも……ちょっとここでは具体的なエピソードは書けない……でも!とりあえず助けて貰った 笑
No side
きっと、はらわた煮えくり返ることばっかりだっただろう……笑
ごめんね!
しかし、現場が終わればNo sideで彼とはよく二人で飲みに行く。
お互い鶏のように、すぐ忘れるだけなのかも知れない 笑
私は今も、彼と初めて会った時に資料を見ながら俯き加減で発した、あの言葉を信頼している。
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