基礎からわかる英文契約書 開講の辞
仕事で英文契約書を読む必要がでてきたけれど、「何も学校で習わなかったし、まわりの人は『自分で勉強しろ』と言うし……」と、途方に暮れている人は少なくないと思います。
そこで英文契約書の初歩の初歩を、わかりやすく解説するためにnoteを始めることにしました。
<自己紹介>
中村秀雄 英文契約書作成塾の塾長です。
実務界で25年ほど国際取引に携わり、5,000件以上の英文契約書の作成・検討にかかわったほか、実際の契約交渉も行い、外国人弁護士・法律家相手に真剣勝負をしました。ロンドンに6年間法務担当として駐在していたことがあります。
その後、大学に移って計16年「国際取引法」を講義、主に英国法などを研究しました。ゼミでは学生に実際の国際取引を経験してもらいました。
今は、自分で「英文契約書作成塾」を運営しています。企業の要望に応じて、英文契約書に関する研修を行う仕事です。
☛ 詳しくはこちらのウェブサイトをご覧下さい。
<自著紹介>
実務に役立つことを願って、何冊かの本を出しています。
① 『新訂版 英文契約書作成のキーポイント』の初版出版は1983年です。国際契約の現場にいる人が、日常的に感じる小さな疑問にこたえています。幸い好評で、今でも継続販売中(アマゾンの「英文契約書・法務 」の 売れ筋」で第2位(2023年7月))。
② 2017年に出した『国際交渉の法律英語』という本は、対面で、あるいは手紙やメールを通じて国際契約交渉をしている人に、「この言葉を使えば、そのまま契約書の文章が出来る」ことを目指して、色々な言葉を解説したものです(英文監修 野口ジュディー神戸学院大学名誉教授)。
③ 2009年の『英文契約書修正のキーポイント』は、相手方から提示された契約書に、どのように「最小限の修正をして、最大限の効果を得るか」を書いた本です。
④ 本ノートの連載でも「国際契約英文法」として、契約書に特有な文法や、文章の作成法を紹介していますが、この本『国際契約の英文法』(2023年)は、これからのわかりやすい法律英文書を書くには、どんなことに注目し、伝統的な法律文をどう書き換えればよいかをまとめたものです。
<作成方針>
このnoteは、体系だった目次を作って、本を書くように進めるのではなく、自分が最初に国際契約書を扱いだした頃に抱いた「疑問」を思い出しつつ、つれづれに書き進めていこうと思います。
その間に質問が出てくれば、その答(が出来ればですが?!)も挟んでいきます。
そういう次第なので、「目次」は中身を書くたびに付け足していくことにして、英文契約書の初歩の初歩というようなことを、とにかく書き進めていきます。
何もかも細かく書くわけにはいきませんから、それぞれの説明は少し思い切って短く書きます。詳しくは私の本の他に、専門書をご参照ください。
それでは開講です。みなさまのお役に立つことを願って。 2021年11月