これは DNA の二重らせん構造的に(つまり2回絡み合っています)ややこしい問題です。少し理屈っぽくなりますが、我慢して下さい。
日本、欧米をはじめ多くの国では、「契約」というものは(少数の例外はありますが)、契約<書>にしなくても(つまり、目に見える形にしなくても)口頭で成立します。(☚これがポイント)
コンビニでデザートを買うときに契約書を作ることはありませんね。それでも「契約」は存在するのです。これを英語では contract と呼びます。
さて、話を続けましょう。国際取引では、契約書面を作らないことはあり得ません。「心覚え」という意味もありますし、「経理書類」にもなりますし、何より裁判のときの「証拠書類」でもあります。
こうして「契約」を紙に書いたものも contract と呼んでいます。実務的にはagreement と呼んでもよい、ということは第3話でお話ししました。
決して正しくはないのですが、契約 ≑ 契約書 ≑ agreement ≑ contract
実際には「契約」も「契約書」も、区別なく contract や agreement と呼ばれるのです。(☚これがポイント)
「部長、A社との契約が取れました!」というときには、「取れた」とはA社がこちらの条件に合意してくれて、「契約」が出来たことを表し、「契約にはいつサインするんだ?」というときには、「契約書」を意味しています。
これから契約書を見ていきますが、この二重の<混乱>はその中にさえ存在します。