事業部長としてテレワーク期間に取り組んだ7つのこと
昨今の感染症対策を踏まえ、テレワークを実施している企業様も多いかと思います。弊社でも、3月下旬に東京都で外出自粛要請が発表されてから、全社員原則自宅勤務となりました。テレワークがはじまって丁度1ヶ月が経過します。
弊社ペイミーでは、法人向けに給与即日払いサービスPaymeを提供しておりますが、事業推進を担うインサイドセールス(IS)、フィールドセールス(FS)、カスタマーサポート/サクセス(CS)もフルリモートになりました。こうした状況下でも円滑に事業を伸ばせるよう事業部長として取り組んだことをご紹介いたします。現在進行系のものもありますので不完全ではありますが、参考になる部分がありましたら幸いです。
①ロードマップ/組織図/OKRをfigmaに集約
弊社では今年からOKRの運用をはじめましたが、各チーム運用は以下のようなホワイトボードを利用していました。特にP1/P2/4weekのフォーカスタスク管理にはポストイットの週次の管理が欠かせなかったので、テレワークに突入し最初は運用に困惑しました。
またOKRの他にも、四半期ごとの組織ロードマップや各々の役割がバラバラに管理されていたため、誰がどのKPIを担当して何をしているのかがわかりづらい課題がありました。
そこで、以前からデザインツールとして社内で活用していたfigmaを活用し、OKRの運用ボードのみならず組織図とロードマップをセットにした1枚のシートを作成いたしました。
ビジネスサイドはfigma初心者が多いため、まだコンポーネント化、グループ化されていない部分など荒々しいつくりにはなっていますがこちらのサイトなどを参考にメンバーにキャッチアップしてもらながら運用をはじめました。
使い慣れないながらも、チームで何を目指していて(ロードマップ/OKR)、誰が何を担当していて(組織図)、今週のフォーカスポイント(OKR)が明確になりました。ひとつのシートに集約することで他部署の動きもすぐに把握でき、以前のホワイトボードの運用に比べ格段に共有がスムーズになったことを実感します。
またOKRの運用にあたっては、『OKRシリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法』『Measure What Matters』『戦略を、実行できる組織、実行できない組織』など参考しましたがまた別の機会にでもまとめようと思います。
②分析環境/KPIダッシュボードの整備
テレワークになり個人の成果を図るには行動記録と営業成果をCRMで管理し可視化することが重要になります。弊社ではhubspotを導入していますが、改めて各チームの記入ルールの見直し、追うべきKPIの整理を実施しました。
また先月から分析環境の構築を徐々にはじめ、Amazon RDS、hubspot、Google Sheetsのデータを全てBigQueryに集約し事業部で追うべき数値をつなげて見られるように可視化を進めております。
PdMの方中心に現在進行中で進めている分析環境のイメージです。私一人ではできない部分も多く、このタイミングで社内でゴリゴリ進めてくださり大変感謝しております。(今まではhubspotのデータをCSVで吐き出して、redashでSQLを書いてCSVで吐き出して、それをVLOOK
UPでつなぎ合わせて、Google Sheetsで可視化して…ってことを時間をかけてやっていました。感謝)
③横断的な研修チーム体制の構築
ここ半年で採用も順調に進み、私が担当する事業推進部は20名を超える規模になりました。(採用の話は弊社人事の阿久澤さんがnoteにまとめております、ぜひ御覧ください。)
組織が拡大する中で徐々に昨年ごろから各チームの研修資料やマニュアルなどのドキュメント化は進めていたのですが、セールスイネーブルメントの考え方を知るようになり、もう少し横断的に研修や育成制度を考えていく必要があるのではないかと思い始めました。
参考にした本では『セールス・イネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方』『営業力を強化する世界最新のプラットフォーム セールス・イネーブルメント』などがありますが、まだまだ組織規模も小さく工数もそこまで割けないため、IS/FS/CSで研修を担当しているメンバーと人事のSlackグループを作成するところからはじめました。
この4月から新卒/中途合わせて5名が入社し、初日から早速リモートスタート。元々OJTという名の、横で見て覚えろ方式で研修を進めていたので、こんな状況下でオンボーディングなんて無理だと最初はお手上げ状態でしたが、研修育成にフォーカスしたチームを組織することで、オンラインでできることを整理し、細かく階段設計を行い、具体的なスケジュールに落とし込むことでスムーズに入社研修が進みました。このあたりは研修を担当した各チーム担当の対応の良さが目立ち途中から任せる部分が多かったため、大変感謝しています。下図はCS研修の一例。
また現在隔週で事業推進組織開発定例を実施し、横断的にチームとメンバーの達成度や研修や育成制度について議論をする場を設けています。もう少しこの場をうまく活用し、社内でイネーブルメントチームと呼べるような役割を担っていきたいです。
④誰でもMTG参加OK!情報共有の透明化
社内MTGはGoogleカレンダーでセットし、全てGoogleハングアウトで実施するため、URLを共有さえすれば誰でも参加できるようになります。今までは会社の会議室のキャパシティで決められた人を対象に実施してましたが、そうした制約も特にないため事業部の会議をオープンにしました。
ちなみにペイミーでは上図のように良かったことを共有するチャンネルもあります。素直に褒められるの嬉しいものです。
今までは、地理的要因で地方支社のメンバーが参加できなかったり、別部署の方は呼ばれてもいないため参加しずらかったかと思いますが、気軽に全ての社員がアクセスできるように事業推進部の状況を透明性をもって共有できるようになりました。ミュート参加大歓迎、誰でも気軽にチャットで質問もでき、議論が活発になりました。開発チームの方も毎回参加してくださり、プロダクト改善のコンテスクスト共有がスムーズになったことを実感しています。
⑤性格診断テストの実施で相互理解
「各メンバーの人柄とか、資質とかチーム内で共有できるものがあるといい」というメンバーからの提案をもらい、人事の阿久澤さんに相互理解のシートを作成してもらいました。
ストレングスファインダーを実施する企業もありますが、お金がかかるため、無料でサクッとできるMBTIを実施することにしました。やったことある方も多いかと思いますが、設問項目に答えていき16タイプに分類してくれる性格診断テストです。スプレッドシートにエピソードも込みでまとめることで、それぞれの強み弱みがテレワークでもよく分かるようになりました。
オンラインコミュニケーションが増える中で、相手が何を考えているか掴みづらいかと思います。特に入社したてのメンバーにはチャット上のコミュニケーションと限られたMTGの場でしか分かりません。早速記入も進み好評がでておりぜひ全社にも展開していきたいと思いました。
余談ですが、最近PdMの方におすすめされた『カイゼン・ジャーニー』という本でもスクラム開発を進める上で、各メンバーのスキルや強み弱みを可視化するとスムーズにプロジェクトが進められるという話があり、まさに同じことだと思われました。
⑥timesチャンネルで思考の垂れ流し
元々他のメンバーもやっていたのですが、社内ツイッター、分報チャンネルのような位置づけで、「腹減った〜」「仕事終わんねええ」でもなんでも良いので思ったことなどを垂れ流すチャンネルです。
他のメンバーのチャンネル参加は自由です。テレワーク環境下で誰にも見られていないためダラケることもできてしまいます。自分を律するためにも、今これをやってるぞ、こんなことを考えているぞ、を共有しようと思いはじめました。
始めてみると、オープンチャンネルで発言するほどではない、考えを共有したらリアクションをもらえたり、気軽に雑談が弾んで交流が生まれたりと良かったと思います。
続々と他のメンバーもtimesチャンネルもできて全部追うのも大変ですが、目に止まったら反応する、なにか考えたら自分のチャンネルで垂れ流す。引き続きやっていきたいです。
⑦ぶちあげるマインドを共有しチームの視座を上げる
四半期ごとに「事業推進をぶちあげる会」と題して、前四半期の振り返り、今四半期の戦略共有などを行ってきましたが、特に今回のぶちあげる会は気合を入れて準備をしました。新しいメンバーが増えるもいきなりテレワーク時代に突入したため、人によるモチベーションの変動に少々懸念がありました。だからこそ、四半期のはじめに事業推進部で目線を揃え、視座を上げぶちあげるマインドを持ちたいと思いました。
詳細な内容は割愛しますが、強い意思を込めた全社OKRの解説と、テレワーク状況下だからこそ今四半期にかける思いをぶつけました。思えば私自身2018年の秋に単身に大阪で渡り、一人で関西支社の運営をしていたため、振り返ると当時は本社とテレワークをしていたのだなと。あの時の反省や失敗は今でもよく覚えております。一人で考える時間が増えるからこそ、会社と自分を俯瞰して、次にできる仕込みを進めていこう、という内容で終わりました。少しでもチームの心に響くものがあれば幸いです。
おわりに
ここまでまとめてきてお気づきかとは思いますが、弊社ではSlackコミュニケーションが活発です。特段、本編に取り上げるほどではなかったですが、テレワーク期間のSlackスタンプでの反応が素晴らしいなと思います。4月入社で大活躍中のかどまいさん↓
気軽にコミュニケーションを取り、スタンプでリアクションし合う文化、テレワークが終わっても続けていきたいです。
まだまだ発展途上のベンチャー企業で、改善する部分ばかりですが、全人類総テレワーク時代を味方につけられるようできる打ち手は何でも取り入れていきたいと思います。こんな取り組みもあるよ!とか、テレワークを受けて事業部ではこんな戦略をとってるよ!などぜひ意見交換させていただける方がいらっしゃればお気軽にご連絡ください。Twitterでもこのような内容を配信しております。フォローもぜひお願いします。