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BMOチームモダン準優勝~グルール果敢~

はじめに

2024年8月に行われたBMOチームモダンで準優勝することができました!
この記事では調整の過程を書いております。
リスト等はありますが、詳細なデッキガイドではありませんのでご留意ください。

打算でモダンやる


2024年の7月末、私はモダンをやる気はありませんでした。
アジアチャンピオンカップエリア予選、ラクドス吸血鬼で5回予選に参加したものの、突破できなかった私は、正直に言って競技マジックへのやる気を喪失してしまった。

せめて次のフォーマットがスタンダード、あるいはパイオニアであれば良かったかもしれないが、モダンホライゾン3で激変してしまったモダン環境に高額な資産を投じてアプローチする気もおきず、まあ一旦お休みしてもいいかと思っていた。

そんな私をモダンに留めたのは、6月に申し込んでいたBMOチームモダンであった。
早めに言えば、キャンセルできたかもしれない。
他の人に出て貰えばいい。
ただ、何となくそれはイヤだった。

私はチーム戦の経験が無かった。一回くらいやってみたかったし、何より一度出ると言ったから。
まあやってみるか、楽しそうだし。
それにチームを組むのは世界選手権出場経験のあるckn氏と東海屈指の強豪プレイヤーでプロツアー出場経験のあるkiyo氏。

勝ち馬に乗っている。降りるのは勿体ない。

打算が私を何とかモダンに残らせたと言っていい。
正直言うとこの一か月、「BMOで十万もらって来るからある程度散財していいな」くらいの気持ちでやっていた。

サードデッキ模索する UBマークタイド→御霊→黒単ネクロ

チームデッキの構想はナドゥ、ボロスエネルギー、あと何か。
それだけはチーム結成当初からほぼほぼ決まっていた。

私はサードデッキを模索した。これが結構大変であった。

軽い気持ちでMana Treadersに入りなおし、とりあえず《超能力蛙》入りのUBマークタイドを作ってみた。

面白いように勝たなかった。

超能力蛙で除去やカウンターを補充して封殺するのは強い。しかし蛙で殴ってさらに数ターンかけて倒す間にナドゥはコンボを決め、ボロスはアジャニひっくり返って顔面10点飛ばしてくる。
ちょっとパワーがないという結論。

次に目を付けたのはエスパー御霊であった。
蛙も使えるし、《悲嘆》《孤独》を《儚い存在》でブリンクするインチキムーブも強い。
しかしこれもリーグを数回回して挫折した。《ファラジの考古学者》をブリンクしながら《御霊の復讐》を永遠に探すのが辛すぎたのが大きい。

などとやっている間に、あのデッキに手を出してしまう。

当時の僕はこう思っていた。
「まあ10万もらえるしな」と。

黒単ドミナンス

黒単ドミナンスはサードデッキとしてはかなり良さそうであった。
ナドゥが《一つの指輪》を使えなくなることを除いてカードが被らないし、直近のMOチャレンジで良い結果を出していたこともあり、一先ずナドゥ+ボロスエネルギー+黒単がチームで出した結論であった。
7月末の店舗予選や8月初週の大阪プレミアム予選で持ち込んで試す。

結果、3-3だの2-4だのを繰り返すことになる。

理由ははっきりしていた。このデッキ、センスが出るのだ。
《ネクロドミナンス》や《一つの指輪》を着地させるタイミング、ピッチスペルの大量投入によるリソース管理の難しさ。

何より《ネクロドミナンス》着地後が問題である。
貴方は5枚になるように引くだろうか? 《魂の撃ち込み》を見越して8枚になるように引くだろうか。死なない程度に限界まで引くだろうか。

あとこのデッキでナドゥに全くと言っていいほど勝てなかった。
ナドゥのコンボはハンデス以外で止められず今引きには無力。
普通にナントゥーコや《ウルザの物語》からのトークンで撲殺される。
大阪プレミアム予選ではナドゥに3回当たって3回敗けたので、これはちょっとBMO本番に持ち込む気が失せてしまった。

ボロスエネルギーからマルドゥエネルギーへ変更。サードデッキ決定。

大阪プレミアム予選のTOP4のうち2人がマルドゥエネルギーであった。
自分も観戦していたのだが、唸ってしまった。
《ゴブリンの砲撃》による生け贄エンジンと《ナカティルの最下層民、アジャニ》《マリオネットの見習い》の相性の良さ。
ボロスよりもハンデスを搭載することにより丸さを得て、何故かギミックに寄り爆発力もあがっている。
何より《オークの弓使い》が黒単ドミナンスのそれと比べて数段強い。

大阪プレミアム予選は東海あの人氏の車に乗って行った、そこにckn氏も乗っていたのだが、自然とチームモダンの話になる。

ckn氏「ボロスよりマルドゥの方が数段強い」

その言葉に私は同調した。と同時に私が黒単ドミナンスを使う理由も消えた。流石にオークの弓使いのない黒単ドミナンスは弱すぎた。
なぜなら相手のオークの弓使いに対応できないからだ。
ネクロドミナンスと一つの指輪。両方とも封じるオークの弓使いはガンであり、後だしで相手のオークを処理できるのはオークであった。

ナドゥとマルドゥ、それは確定。サードデッキは?

候補は車内でつらつらと上がる。ルビーストーム、エルドラージブリーチ、トロン、イゼットマークタイド。

どれも安定性に欠けるし、肝心のナドゥやマルドゥに勝てるかというとちょっと無理そうであった。
ルビーストームが筆頭候補ではあったが、当日でBMO本選まで2週間を切っており、それだけの期間でルビーストームを実戦レベルまでもっていくのは無理そうであった。

ナドゥとマルドゥ、どちらにもワンチャンス勝てるデッキ。

「グルール果敢は?」

誰が言ったかは正直覚えていないが、私自身はすんなり「この中ならグルール果敢かな」と思った。

カードをほぼ持っているというのもあったし、何より一時期果敢も使っていたので、一度試そうという話になった。

デストロイはるきち氏に教えを乞う

とりあえず組んだグルール果敢。

4 Dragon's Rage Channeler
4 Questing Druid
4 Slickshot Show-Off
4 Lava Dart
4 Lightning Bolt
4 Mishra's Bauble
2 Monstrous Rage
3 Blossoming Defense
3 Mutagenic Growth
1 Legion Leadership
3 Assault Strobe
3 Scale Up
4 Wooded Foothills
3 Barbarian Ring
1 Commercial District
3 Mountain
2 Stomping Ground
4 Scalding Tarn
4 Monastery Swiftspear

3 Pick Your Poison
3 Destructive Revelry
4 Tunnel Ignus
2 Bonecrusher Giant
2 Rough/Tumble


早速MOリーグに持ち込み、けちょんけちょんにされる。
ckn氏とkiyo氏も観戦していたのだが。
「探索するドルイドが想定ゲームレンジの割にもっさりしすぎている」
「砕骨の巨人は弱い。乱撃斬にしよう」
「速さが足りない」
などの意見を得た。
だが、ブルーオーシャンであるこのデッキを2週間で実戦レベルに持っていくのは非常に厳しい。そこで我々は一人の男を頼ることにした。

愛知県のMTG界隈でデストロイはるきち氏は広く知られている。
某MTGチャンネルのEDテーマを歌う歌手であり、どのフォーマットでも赤系デッキを深く熱心に回している。
そんな彼も私が所属しているディスコードサーバーのメンバーであり、彼が言ったことがあった。「果敢でナドゥやれます」

私は彼に連絡を取る。「チームモダンで果敢持ち込みたいんですけど」

10秒で返信が来た。ありがたい。

その後も出るわ出るわ金言の数々。
「突撃のストロボ型が強いと思います」
「探索するドルイドはサイドからでいいです。メインは損魂魔道士の方が安定します」
「1マナ果敢2体展開で3killルートが増えます」
「地上が今の環境止まりやすいので、トランプルを持たせる巨怪の怒りを4にしましょう」
「厚鱗化はオーバーキルですね」

などのためになりすぎるアドバイスをいただき恐縮する。
ありがとうデストロイはるきち氏。非常に助かりました。



その後MOリーグや店舗予選などに臨み、出来上がったのが下記のリストである。

グルール果敢完成

4 Dragon's Rage Channeler
4 Monastery Swiftspear
4 Soul-Scar Mage
4 Slickshot Show-Off
3 Lava Dart
3 Lightning Bolt
4 Monstrous Rage
4 Blossoming Defense
4 Mutagenic Growth
1 Legion Leadership
4 Assault Strobe
4 Mishra's Bauble
3 Barbarian Ring
1 Commercial District
3 Mountain
3 Scalding Tarn
3 Stomping Ground
4 Wooded Foothills

2 Tormod's Crypt
2 Pick Your Poison
1 Snakeskin Veil
4 Tunnel Ignus
3 Questing Druid
3 Rough/Tumble

MO5-0のリスト

こだわった所
①《突撃のストロボ》《巨怪の怒り》《変異原性の成長》《顕在的防御》ガン積み
とにかく3kill率を高めるためありったけの強化呪文を入れた。とくに顕在的防御はサイド後に除去を増してくる傾向にあり必須。

②1マナ12枚体制
2ターン目に三枚並べる展開を意識しこの形、1枚で勝てる《精鋭射手団の目立ちたがり》の補強にもなる。

③マナベース
1枚の諜報ランドを入れた。後半はフェッチランドもドロー補助に。また蛮族のリング3枚採用により最後の一押しに。《軍団の統率》は3killに絡みやすいのでほぼスペル枠。

④トンネルのイグナス
過酷な指導者の代わり。圧倒的下位互換。

当日の結果

こんな感じであった。
スイスドロー8回戦でチーム6-0-2(ID)
個人成績5-3-1(試合終了前にチームが勝ったため勝負なし)

練習段階で苦手と感じていたエルトロにサイド後2本取って勝ったのがとても良かった。また2番手デッキのボロエネにも勝てたため役目は果たせたと思う。

反省点として、SE一回目のジェスカイ戦。2マナの状態で目立ちたがりキャスト。
0マナファクト2枚でパワー5に。
残りのハンドは顕在的防御2の突撃のストロボ1
その状態でストロボを打ち、結果除去と《孤独》ピッチで対処される。
パワー5で殴り様子見で良かった。かなりデカい失敗。欲張ってはいけない。(チーム勝ったので良かった)

ヨーグモス戦でプロテクション人間を忘れた場面もあり反省。

改善点

顕在的防御は相手のターンに撃つことが多く、蛇皮のヴェールの方が良い場面もある。
流石に過酷な指導者の方が強い。
個人戦でもエネルギーギミックは無くて良い。下手に継戦力を求めない。

最後に

cknさん。とても楽しいチーム戦でした。お誘いいただきありがとうございました。チームに入れてくれたこと、それ自体が嬉しかったです。
kiyoさん。いつも的確な助言ありがとうございました。kiyoさんがマルドゥ使ってくれて本当に助かりました。おかげで準優勝できました。
はるきちさん。グルール果敢を教えていただきありがとうございました。この準優勝はあなたのものです。

以上、お付き合いいただきありがとうございました。
チーム戦。とても楽しい。また出たい。