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【サブスリーランナー30の掟】 26.ランニング中、他人から見られている意識を持つ

私たち、市民ランナーは、自分の楽しみの為、或るいは、自己ベスト更新の為にマラソン、ランニングに取り組んでいることが多いと思います。

もちろん、私も37年前、長距離走を始めてから数年間は、上記のような気持ちのみで走っていました。

それが、以前にも投稿した、ある出来事がきっかけで、『自分の為』とともに『他人から見られている意識』を持って、走るようになりました。

それは、社会人になって最初のキャリアとなったシステム部門での出来事でした。

当時執務していたビルは、各社のシステム部門が集まっていた関係で、各社に宿泊施設が確保されていました。その為、着換えやシャワーが使えるということで、私は、昼休みランを習慣にしていました。

その昼休みランは、20分程の短時間のランニングでしたので、自然と気持ちが入った走りをしていました。特に、ラスト150m程は、下り坂から始まっていたので、ラストスパートが掛けやすく、より気合い十分の走りになっていたと思います。

そんな昼休みランを終えたある日のこと。ビルの食堂で昼食を摂り、執務室に戻ろうとエレベーター待ちをしていた時、見知りぬ中年の男性が、私に話し掛けて来ました。

「いつもあなたの走る姿を見ていて刺激を受け、半年程前から走り始め、先日初めて、ハーフマラソン大会に出場し、完走することが出来ました。ありがとうございました!」

思いもかけない言葉だったので、その瞬間は戸惑いましたが、私が懸命にラストスパートを掛けて走っている姿から、私のランニングに対する熱意がその方に伝わって、その方の心と身体を動かすことが出来たんだ!と思い、何だか、とても嬉しいというか、走る意欲が更に湧いて来る感覚に包まれたことを、今でも鮮明に覚えています。

その出来事以来、『自分の為に行っていることでも、その行為に気持ちを込めていれば、それを見ている人に伝わり、その人に何かしらの影響を与える』と考えるようになりました。

サブスリーを目指すようなランナーであれば、その走り姿は、ぱっと見でも、『他のランナーとは違う』存在に見られると思います。

そこに加えて、「他人から見られている意識」を持ちながら走れば、少なからず、見ている人に走ることの素晴らしさ、尊さが伝わり、その人の心を動かすことに繋がるはずです。

そして、その他人から見られている意識を持ち続けることで、走りが洗練され、常に練習にも集中出来て、走力の向上に繋がり、その結果として、レースでの成果に結び付くのだと考えています。

『他人から見られている意識』を換言すれば、『自分を第三者として、客観的に見る』と言えます。

「走り姿勢は綺麗か?」「気持ちが表情やランニングフォームに表れているか?」「ウェアの着こなしは、スマートさを感じさせるか?」「走り姿に洗練さと熱意を感じることが出来るか?」等々、常に、自問自答しながらランニングに取り組むようになると思います。

サブスリーランナーは、市民ランナーの僅か数パーセントしか存在しない『選ばれし人たち』です。

その存在であるからこそ、「自分の為に走ることが、見ている人たちに影響を与えている」事実を意識して、日々の練習に取り組んで頂きたいと、強く思っています。

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