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王者への道も基本から(エリウド・キプチョゲ、着実なトレーニング習慣)
オリンピック男子マラソン2連覇、先日の東京マラソンでも圧巻の走りで優勝したエリウド・キプチョゲ選手。
その存在は、もはや伝説化されつつありますが、その圧倒的な強さは、ごく基本的なトレーニングの積み重ねに拠るものであることに注目しなければなりません。
母国ケニアのイテンにあるキャンプで、所属するチームのメンバーと日々トレーニングに励むキプチョゲ選手。そのトレーニング内容について、キプチョゲ選手のコーチが、以下の動画で語っています。
キプチョゲ選手は、家族と離れ、キャンプで合宿生活を送っています。
1週間の概略メニューは、以下の通りです。
月曜日)週間メニュー提示
火曜日)ワークアウト①トラック練習
水曜日)リカバリー(ジムトレ&ジョグ)
木曜日)ワークアウト②ロングラン
金曜日)リカバリー(ジムトレ&ジョグ)
土曜日)ワークアウト③ファルトレク,レペティション
日曜日)フリー
※なお、上記は主に午前のメニューで、午後にジョグを行っていると推測。
おそらく、キプチョゲ選手の場合、土曜日のワークアウトの後、家族の元に帰り、週末を家族と過ごして、月曜日にキャンプに戻っているのではと推察しています。
上記トレーニングメニューを見て、競技選手であれば、「結構、普通じゃん」と思うかもしれませんが、その通り、特別なことはしていないのです。
私は、その競技選手としては一般的なトレーニングが、キプチョゲ選手の強さの源になっている所以は、以下4点にあると考えています。
1点目は、質の高いトレーニングを、着実にこなしていること。
レベルの高いチームメイトと、常に切磋琢磨するトレーニングを通して、レースで力を発揮出来る実力を備えている印象を持ちます。
2点目は、トレーニング以外の生活習慣が、トレーニングに集中出来るように、首尾一貫、管理統制されていること。
ドキュメンタリー番組を観る限り、けっして、制限された厳しい環境というのではなく、志を一つにする仲間たちと励まし合いながら、トレーニングに集中出来る環境づくりがなされている点に、彼の強さの所以を感じます。
3点目は、フィジカルトレーニングを習慣化していること。
キプチョゲ選手も他の動画のインタビューで語っていましたが、ジムでのトレーニングを週に2〜3回、時間にして、1回につき3〜4時間みっちりと行っているとのことです。
マラソン終盤でも、ほとんど、ランニングフォームが崩れない走りは、このフィジカルトレーニングが基盤となっていると言えます。
そして、最後の4点目は、トレーニングメニューの目的をしっかり理解した上で行っていること。
この点は、コーチスタッフの優れた点だと思いますが、選手自身のトレーニングに対する理解度の高さが、トレーニング効果の高さに繋がることを、キプチョゲ選手は、証明している感じがしています。
以上の通り、基本的なトレーニングメニューを、継続的且つ安定的に行っている点に、キプチョゲ選手の強さの理由があるのは、確かなところです。
しかし、それだけでは、あの圧倒的な強さには繋がらないはずです。
今日は、深く言及しませんが、彼の圧倒的な強さは、彼の類まれなメンタリティーの高さが、大きく作用しているのではないかと思っています。
添付した動画で、キプチョゲ選手のコーチは、数年前から、選手とコーチの立場が逆転して、今は、自分が生徒で、キプチョゲ選手が先生であると語っていました。
それほど、彼の心身ともに強化された姿は、人々に鮮烈な印象を与えていると言えます。
私も、上記トレーニングメニューを参考にしながら、日々の基本的な練習の意味をしっかりと理解し、着実に積み上げることで、走りの地力を付けていきたいと思っています。