今どきの企業スポーツ事情(女子プロゴルフ界に群がる違和感)
企業の広報活動は、その時代の状況を反映するものであると考えていますが、最近、その点で気になることがあります。
それは、気になるというよりも、違和感と言った方が正しいかもしれません。
違和感を持ち始めたのは、昨年からですが、国内女子プロゴルフツアーの優勝者の写真を、そのスポンサー企業が、新聞の全面広告で掲載しているのです。
それが、時々であれば、あまり気にならないのですが、ほぼ毎週、更には、その広告コピーも、ほぼ同じ以下のような基調なのです。
『○○選手、優勝おめでとうございます!(中略)これからも△△株式会社は、○○選手の挑戦を応援して参ります。』
参考までに、冒頭の画像の全面広告は、以下となります。
選手にとって、企業からの支援は、安心して戦っていく為には、無くてはならないものと言えます。
特に、プロゴルフツアーの場合は、掛かる経費も半端無く、スポンサーの有無は、選手にとって死活問題となって来るのは、確かなところです。
一方、企業にとっても、支援する選手が優勝することは、企業PRの絶好の機会となり、「この日の為に支援して来た」と言える程、特別な出来事となります。
しかし、私が違和感を感じるのは、その表現方法が、酷似している点にあること、更には、女子に顕著に見られる点にあります。
企業にとって、高い費用を掛ける新聞の全面広告は、より効果的に打ちたいと考えるのは、当然のことではありますが、判子を押したように見える表現方法には、うんざりするというか、何か、スッキリしない心持ちになります。
また、女子に集中している点は、うがった見方かもしれませんが、今だに企業社会に存在するジェンダー意識の表れであると強く思っています。
今、女子プロゴルフ界は、若手選手が次々と台頭して来て、活況を呈しており、その勢いを企業が利用するのは、至極当たり前のことだとは思います。
しかし、その状況を考慮したとしても、毎週、金太郎飴的に打ち出される全面広告には、閉口せざるを得ない気持ち悪さを感じます。
前述の通り、選手にとって、企業からの支援は、本当に有り難いものであると思います。
それだけに、一律の広報活動ではなく、支援する選手を日頃からサポートしている様子が垣間見えるようなPRの仕方を切に望む次第です。