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1/14(土) 彦坂木版工房 もりといずみさんトークイベントを開催しました

あのクリームパンはこうなっていたのか…


もりといずみさんが「こうして、こうして…」と細かく説明しながら
バレンでぎゅうぎゅうとして、紙をゆっくりめくると…
そこにはあのクリームパンが!
脳に直接くるような感動。これが版画!

固唾をのんでみていた全員から「うわぁ〜」と声が出て、
ふたことめは「おいしそう〜〜」と
パンが焼きあがったような臨場感があった瞬間でした。

1/14、土曜日。
もりといずみさんをお迎えして、昼間はギャラリートークをしながらの
サイン・撮影会をしてくださり、夕方にトークイベントを開催しました。

16時スタートで1時間予定でしたが、トークが盛りあがってすこし延長の90分。
ご本人からしか伺えない貴重なお話しが盛りだくさん。
しかも、ふだん彦坂有紀さん・もりといずみさんと一緒に絵本を作っていらっしゃる
講談社の編集の方も交えて豪華なクロストークとなりました!

まずは1分ほどの映像をみて「版画」とは…とお話しを聞いた後に、
実際に版画の実演をしてくだいました!
それが先ほどのクリームパン。

クリームパンを彫った版木に色を塗り、その上に紙を置き、
バレンで(けっこう強めに)ぎゅうと押し刷る、
いったん紙を外して、また版木に色を塗りたし、また紙を置く…
という風に塗り、刷りを重ねて8回やったものが、
実際の『パンどうぞ』のクリームパンの絵なんだそうです。
途中塗った絵具を拭いたりもして紙にうつる色を抑えたり、あの絶妙なグラデーションはそうなっていたのか!と合点。
(実演で使った板木はワークショップ用のもの)

絵から想いがあふれている…

編集の方いわく、あのパンの版画を初めて見た時、
「食べて欲しい!」と思ったそう。
文章で「どうぞ」と書いていなくても、すでに差しだす想いが溢れている。
絵本にしたら絶対子供たちが喜ぶと感じたそうです。

実際もりとさんが読み聞かせでパンどうぞのページをひらくと、
子供たちが絵をつかみにきますとのこと。
「絵に力があるのです」と。
そうでしょうね… 今すぐひとくち食べたい!と大人でも衝動に駆られます。

聞けばきくほど『おすしのえほん へい おまち!』の凄み

その「絵の力」がありながら、おすしのえほんでは、さらに工夫が… 工夫というか、
お話しを伺いながら、もはや研磨するような作業だなと感じました。

絵に関しては、すしをどうしたら私たちが目でみたままの姿のまま表現できるか。
「おいしそう」という感覚はどこからくるのかを見極めるために
すしの特徴を観察して分解するのだそうです。 
なんとなくわかるようなわからないような…。

さらに子どもがこの絵本を体験するために、相手がいるようにする。
「〇〇くださ〜い」「へい おまち!」とやりとりができるように。
役割を分担するためにフォントまでこだわっているのです。
手元に絵本がある方はぜひみていただきたいのすが、
「へい おまち!」のフォント。この絵本のために作られたものなのです。

彦坂さんがこんな感じ…とまず書いて、
それをデザイナーさんに渡しながら、この寿司屋はこんな店のイメージ。
こんな感じの板さんがいて…とイメージを言葉で伝えてフォントを作るのだそうです。
そこまでするんだ…。
だからすんなりここは「へい おまち!」という場面だとわかるのですね。

元々の絵の力を最大限に引き上げてできあがった絵本。
子どもたちの前で絵本をめくっていちど「くださ〜い」「へいおまち!」を読んだら もう。
次からは「へい おまち!」は子どものセリフです。
なんてシンプルで、洗練されたつくりでしょう…。

彦坂木版工房さんの新境地を一緒にみましょう!

彦坂有紀さんともりといずみさんのおふたりのものづくりの丁寧さもさることながら、今回のようにトークイベントやワークショップなどで
「伝える」ということも大切にされている姿が印象的です。
今回のトークイベントも「僕、すごく楽しみにしているんです」と
ずっと前から気にかけて準備をしてださいました。

なんと「紙芝居」までやってくださったのです!(紙芝居は非売品です)


本当はもっといろんなことをお話ししてくださったのですが、
書ききれないのでどこかですこしづつご紹介できたら!

彦坂さんともりとさんの、絵本や他のお仕事もいろいろ並行して進んでいる様子…。くわしく書けませんが「やわらかいもの」は今後も挑戦していかれるとか。
今後の作品もほんとうに楽しみです!

皆さまが楽しそうに絵を見たり、お話しをしたり聞いたりして、
幸せな時間を共有しているなぁと久しぶりのリアル(オンラインでない)イベントを堪能できた1日でした。

ご来店くださった皆さま、トークイベントにご参加くださった皆さま、
もりといずみさま、彦坂有紀さま、講談社さま
ありがとうございました。


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【サイン本】
彦坂木版工房さんの絵本へもりといずみさんがサインを入れてくださいました。
えほんやさん店頭、オンラインショップにてお取り扱いございます。

「おすしのマスキングテープ」や「サーモンキーホルダー」
などのグッズもございます♪


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