自分だけのともだちがいつも助けに来てくれるとしたら・・そんな世界を描いた絵本 | 『アルド・わたしだけのひみつのともだち』 を紹介します。
生きていると、失敗したり、思いがけないことが起こったり、困ったことがあったり、、色んなことがありますよね。その時、自分だけに見える友達がすぐ来て元気づけてくれるとしたら・・心強いと思いませんか?
今日はそんな世界を描いた絵本を紹介します。
1・絵本の紹介
今日の絵本は『アルド・わたしだけのひみつのともだち』(作:ジョン・バーニンガム 訳:谷川俊太郎 ほるぷ出版)です。
主人公はひとりの女の子「わたし」。「わたし」はひとりでいることが多い。
そんな「わたし」は学校でいじめられることがある。その時、必ずアルドという私にだけ見えるひみつの友達がやってきて慰めてくれる。
アルドは表紙画像を見てもらえるとわかるようにうさぎのような風貌をしています。
アルドは困った時にやってきてくれる。一緒に遊んだりもする。本も読んでくれたりする。
「わたし」はこのアルドについてこう思っている。
「わたしはうんがいい。ほんとに とてもとてもうんがいい、とくべつなともだちがいるんだもの。」(『アルド・わたしだけのひみつのともだち』作:ジョン・バーニンガム 訳:谷川俊太郎 ほるぷ出版 より引用)
このお話はとても不思議なお話です。ここまで読んでお気づきだと思いますが、アルドは架空の存在。でも、このことを信じることによって「わたし」は現実を何とか生きていっているのです。
2・この絵本が伝えていること
①信じること 思うこと
「信じる」「思う」これは目に見えません。その人が何を「信じる」ているかそれはその人自身にしかわかりません。
しかし、その「何を信じているか」は生きていく上でとても大切なことです。
この「わたし」のように、困った時は「アルド」がやってきて慰めてくれる、と信じていると、気持ちがいつまでも落ち込んだままでなく、立て直せます。
辛いことがあってもアルドが来てくれると思うと安心していられる。
そんな「わたし」は友達と遊んで楽しい時はアルドのことを忘れていることもあります。
これは、リアルの友達ができて、現実に即していく子どもの成長過程を表しています。
段々とリアルの友達と遊ぶのも楽しくなってくる。ずっとひとりじゃない。
でも、アルドのことは心強いともだちとして心にお守りのように思い続けている。
このお話の主人公、「わたし」は子どもですが、アルドのような存在を信じるのは、子どもだけでしょうか。
大人にもアルドが来てくれるとしたら?
すごく心強いと思いませんか。
②自分だけのともだちとは?
この絵本の「わたし」はアルドというともだちを信じている。いつも自分を慰めてくれる。遊んでくれ、元気づけてくれる。そういう存在が自分にはいる。だから大丈夫と思っています。
少し嫌なことがあっても、いつもアルドに救われる。そして気持ちがラクになり、元気になる。
私はこの絵本を読んでうらやましくなりました。
私自身、この絵本の紹介で気持ちをラクにする方法や前向きになる方法など色々お伝えしていますが、そんな私は、まだまだ、メンタルが弱く、ちょっとしたことで、落ち込みます。自分を責めてしまう。
そんな時、このアルドが来てくれたら、そして「大丈夫だよ」と言ってくれたらいいなと思います。
③自分が自分のともだちになる
でもアルドは見えない。どうしたらアルドを信じることができるのだろうか。
私は考えました。
そして気付きました。もし、自分がアルドになることができたら?そうしたら、どんな時でも、いつでも、自分の側に行くことはできます。だって、自分なんだから。
自分がアルドになる?どういうこと?と思うでしょう。
ショックを受けたり、落ち込んだりしたその時、ちょっと、そんな自分を外から見てみます。そして、自分に声を掛けます。絵本の中のアルドは、「わたし」がいじめられたとき、横にきて肩を組んでくれました。そんな風に自分の肩をそっと撫でてもいい。
「大丈夫だよ」と声を掛けてもいい。
そこは想像力を働かせます。見えないものを見るのです。
難しい?確かにそうですね。では、現実の友達が自分に掛けてくれた温かい言葉などを思い出してはどうでしょう。私はそれもやってみました。辛い時に心に響く言葉を掛けてくれる人がいます。もし、あの人ならこんな時どんな言葉を掛けてくれるだろう。きっと「大丈夫」や心がラクになる言葉を掛けてくれるだろう。想像してみました。
すると少し気持ちがラクになりました。
こんな風に工夫してみてください。
自分を元気にすることはとても大切。
どんな時も自分に寄り添い、元気づけ、励ます。
その方法をこの絵本から学ぶことができます。
自分の心を元気にして、楽しいこともして、そして色んなことに挑戦することを応援して、そんな風にして自分の人生を良いものにしていきましょう。
私自身もまだまだ途上。絵本を読んで、そこから癒しや気づきを得て、このように文章を投稿することで、少しづつ自分なりの「ラクのなり方」を見つけていっています。
そして、それが少しでも同じようにしんどい思いをされている方の助けになれば嬉しいです。
3・まとめ
わたしだけのひみつのともだちが辛い時はそばにきて慰めてくれる・・。
そんなことが伝わってくる絵本、ぜひ読んでみてください!
この絵本のジョン・バーニンガム氏の絵は何ともいえない魅力があります。
「わたし」の繊細な内面がそっと伝わってくる。
アルドが本当にいるような気持ちになります。
また詩人の谷川俊太郎さんの訳も素晴らしく、この絵本の世界観をより素晴らしいものにされていると感じます。巻末に谷川さんのこの絵本についての解説もあります。
この絵本を読んで、あなただけの「アルド」と出会ってみてください。
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