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努力の結晶❄️を語り継ぐ絵本

今でこそスマホで容易に雪の結晶を撮影できるようになったとはいえ、1865年生まれのベントレーが生きた時代に雪の結晶を撮影する困難さは、想像に絶するものがあった。その努力に敬意を払うかのように、1ページ1ページ、版画で丁寧に刻み込まれた伝記絵本がこちら『雪の写真家 ベントレー』🔽

ジャクリーン・ブリッグズ・マーティン作、メアリー・アゼアリアン絵
『雪の写真家ベントレー』千葉茂樹訳(BL出版、1999年)

ベントレーは14歳まで2、3年しか学校に通わなかったそうだ。母親が教師代わりを務めたというから、今ふうにいえばホームスクールの出身だ。彼は母から古い顕微鏡をもらったことをきっかけに、雨粒や植物の観察を始め、雪の結晶は「15歳の時から3年間、毎年100枚ほどのスケッチを残した」。17歳の時に「10頭の乳牛よりも値段の高いカメラ」を両親に買ってもらい、失敗に失敗を重ねた末に、ようやく雪の結晶の写真撮影に成功する。それが写真集となって世に出たのは66歳の時だから、多くの人に雪の結晶を見てもらいたいと願ったベントレーの夢は、半世紀の時を経て叶ったことになる。

1926年までに、ウィリーは写真のために15000ドルのお金をつかった。
いっぽう、写真やスライドを売って得たお金は、4000ドルにすぎなかった。

『雪の写真家 ベントレー』より

この絵本の欄外には上記のような解説も記されており、大人でも十分読み応えがある。ウィリーの努力はもちろんのこと、周囲の人々の無理解にもかかわらず、両親、とりわけ母親がたえず彼の深い理解者だったことにも心を打たれる。

今回、原著の朗読を【snowflake  Bentley】で YouTube検索してみたところ、あまりにも多くの方が動画をアップしているので驚いた。この絵本が学校教材として取り上げられることも多いようで教材研究サイトもあった。いかにベントレーが愛されているかがうかがわれる。ベントレーの努力の結晶の記録であるこの絵本は、後世まで読み継がれていくべきだと思う。

“Every crystal was a masterpiece of design and no one design was ever repeated.”
— Wilson A. Bentley

Extracted from   Snowflake Bentley Images

❄️❄️❄️❄️❄️寒い日にぜひ手にとってみてはいかがでしょうか❄️❄️❄️❄️❄️