幕開け厄除け
2024年は大変な幕開けになった。震災は時を選ばず。家族が一堂に会する正月だからこそ、即、備蓄品が底を突いたという。その反面、いつもより若い人手が多いのは幸いだったそう。とはいえ、まだ行方不明が300人以上。いまだ飢えと寒さに加えて、先の見通しも立たず、不安のただ中におられる方が多数おられる。すでに初動の遅れが指摘されているが、この惨状はなんだろう。一方、孤立した地域にドローンで薬を配送するとか、避難先として鳥取や愛知の県営住宅や奈良の市営住宅の無償提供が早々に打ち出されたことを知りホッとした。
ところで昔から震災を繰り返してきた日本では、御祈祷やらおまじないが古くから行われてきたのではないだろうか。ちょっと検索したところ、こちらの論文(西山昭仁「寛文 2 年 (1662) 近江・若狭地震における京都での被害と震災対応」『京都歴史災害研究』 第 5 号、立命館大学歴史都市防災研究所、 2006年、 39 ~ 54頁)に行き当たった。やはり「古代~中世を通じて、大地震が発生した際には朝廷から大寺社へ勅旨が発せられて地震祈祷が行われて」いた旨、記されている(西山 2006, 45-46頁)。ならば今年の豆まきは盛大に…などと思い巡らす。人知の及ばぬ災厄から逃れようと神仏に頼るのは、古今東西、変わらぬ思いなのだろう。
…… と、ここでようやくタイトル画像のおかめ風呂敷の説明を。この風呂敷は数十年ぶりに発掘したのだが、なにやら縁起が良さそうなので仕事始めにノートパソコンを包んでみたところ、埃よけにもいいので採用。
よく見ると、おかめさんたちの書き初めに、「岡女堂」とか「甘納豆」の文字が見える。調べたところ、今なお、そのお店は健在であるとわかった。子供の頃、初詣の折に父が破魔矢やお守りを買いまくるので呆れていたのだけれど、今の自分はどうやら厄除けモードになっていて、この甘納豆にまで手を出しそうな勢いだ。人間はつくづく弱い生き物だと思う。いや、そんなの私だけか😆