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ちょっと思い出してきた。2

わたしには甘すぎるロイヤルミルクティーを飲みながら、「ちょっと思い出しただけ」を鑑賞した。

もしかしたら、このロイヤルミルクティーの甘ったるさも、この映画の世界を楽しむ手伝いをしてくれたのかもしれない。

この映画の簡単なあらすじとしては、コロナ以前の6年間を、主人公でもある照生(テルオ)の誕生日毎に遡っていく物語。

6年間。わたしの感覚では、長からず短からずと言ったところだろうか。小学校に入学した子が卒業を迎えるまでの期間と同じと考えると、何かしらの変化が伴う歳月であると言えると思う。

照生の恋人は、伊藤沙莉ちゃん扮する葉(ヨウ)

2人のやりとりを見てると、あーこういうのあったなーとか、わかるよわかるその気持ち!とか、彼女の立場に共感もできたけど、そうなんだよね!今じゃないよね!わかるよわかる私もそう思ったよ!って彼氏側の気持ちもめちゃくちゃわかった。

私なら照生とうまくやっていけるような気さえした。一先ず謝ろう。ごめんなさい。

でも、きっと恋愛の渦中にいたら、そうはいかないんだろうな。

劇中でも、なかなか恥ずかしい言葉ややりとりがたくさんあった。渦中の2人にはそれはそれは美しいものなんだろう。私もきっとそんな恋愛をしてきただろうし。

人様の恋愛、その世界に入ることって、そうそう出来ないから、自分の恋愛がよくあるタイプなのかわからなかったけど、この映画を観て、みんな同じようなことをしてるんだな、恥ずかしいな、くだらないなと思った。

でも、これはいい意味で。

くだらないからいいんだ!くだらないから楽しいんだ!くだらないからいつまでも続けと思うんだ!くだらない渦中にいると、くだらないことに気がつかない、それもまたいい。

こういうものが恋愛の他にあるのだろうか?考えてみたけれど見当たらない。

途中で右斜め前のカップルがジュースを派手に落としていたけれど、それすらも楽しいんだろうか?きっと楽しいんだよね。もう忘れた。

終盤に差し掛かり、クライマックスを迎える。わたしは(このまま、ちょっと思い出しただけで終わってくれ!他に何も起きるな!このまま終われ!このままでいい!)と願った。

そして、願いは叶った。最高だった。

その頃には、ロイヤルミルクティーのカップは空になっていた。

帰宅後、息子のお迎えの時間を気にしながら、あのポストカードを眺めた。クリープハイプのナイトオンザプラネットを流しながら…。



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