あさのあつこさん「本は何の力もない。」
ただいまお子さんの本棚に入れる本、〇〇選という記事を書くべく児童書を読み漁っているのですが、
道すがら、こんな言葉に出逢ってしまいました。
それは『10代の本棚』という若者に向け、本をすすめる本なのですが、
著者のあさのあつこさんがこんなことを述べていました。
本は何も解決してくれません。
あなたの悩みを消してしまうことも、苦しみや悲しみを取り除いてくれることも、痛みを緩和してくれることもありません。
本にはそんな力はないのです。
本には何の力もないのです。
キッパリと本を否定しておられます。
しかも最後2回も!
本を書くには、図書館をひっくり返すほど本を読む、と言われるくらいです。
あさのあつこさんの読書量は計り知れません。
それにもかかわらず、なぜこんなに本を否定するのでしょうか。
本って何の役にも立たない?
最近私は「本は、一体何のためにあるのか」を一生懸命考えていました。
勉強とも違う、資格が取れるようになるわけでもない。
私が本を読み始める前には、本を読めば賢くなれると信じていました。
でも、、賢くなっていない?
知識といえるようなものは、、ない、、?
おしゃべりしていると、たまに出てくる面白い話、、。
それって豆知識、、?
こんな迷宮に迷い込んでいたので、この本で本の存在を否定されていて、何だか安心しました。
たぶん役に立つ これが今の時点で言える結論です。
本よりも、一切れのパンやお茶碗いっぱいのご飯、一本のロウソク、一袋の薬、一台に自転車の方が、生きていく上では、ずっとずっと役に立つでしょう。
ではなぜ存在を必要とされているのでしょうか。
本を読むとは、世界を知ることなんです。
本で内容が一番まとまっているところを探すと、はじめにの部分です。
一番最初にサビ。
著者の熱意を最も感じられる部分です。
もし、最後まで本を読めなくて後悔したことがあっても、始まりを読んでいるのですから、きっと著者の意思を汲み取れているはずです。