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こんなことに注意しよう! 絵本のデータづくりで気を付けることいろいろ

「自分で絵本を作ってみたい!」と思ってみたのはいいものの、
どんな風にデータを作ったらいいのか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、初めて絵本の入稿用データを作る方向けに
データづくりの注意点をお伝えします。
(こちらの記事は主にイラストソフトなどで絵を描かれる方向けの記事となっておりますが、紙に絵を描かれる方でも活かせることも記載しています)

①     絵本の仕様を明確にしよう


まずは作りたい絵本の大きさや形、ページ数を決めましょう。
一般的な絵本のサイズは、A4・A5・またはカスタムサイズです。
自分の本や書店などを見て、イメージをつかみましょう。

②    仕上がりのサイズより大きめに描こう


手描きの場合でもイラスト作成ソフトで描く場合でも同様ですが、
仕上がりからはみ出るイラストがある場合は、そのサイズより少し大きく描きましょう。

その理由は、「仕上がりサイズぴったりに断裁できるとは限らないから」です。
印刷物は何枚もの紙をまとめて断裁するため、どうしても多少の断裁ズレが出ることがあります。
サイズぴったりでイラストやデータを作ってしまうと、切ったときに白い部分が出てしまう可能性があります。

それを防ぐためにも、仕上がりサイズより大きめにイラストを描いておきましょう。
後述の「トンボとヌリタシを付けよう」でもお伝えしますが、最低でも仕上がりより+3㎜は大きく描いたほうが良いです。

③     ページレイアウトを決めよう


ページごとの設計やデザインを考え、
各ページのマージン(余白)、ベースライン、画像・テキストの配置場所を決めましょう。
グリッドシステムを使用して、一貫性のあるデザインを確保します。

イラストや文字を配置するときは、仕上がりサイズを意識しましょう。
あまり端に置きすぎると断裁で切れてしまう可能性があります。
どうしても切れてほしくない大切なイラストや文字は、
最低でも仕上がりサイズから10㎜内側に配置しましょう。

④     トンボと塗り足しを付けよう


「トンボ」とは、印刷や断裁を正しく行うための目印です。
形がトンボに似ていることからそう名付けられました。
仕上がりの天地左右の+3㎜の位置で付けてください。

「塗り足し」は、断裁でズレが出たときに絵柄が切れないように、
絵柄を仕上がりより広くつけておくものです。
こちらも仕上がりサイズより+3㎜外側に付けましょう。

どちらも実際の本の中には印刷されないものですが、
本の製作過程で必要なものです。忘れないようにしましょう。

⑤     完全データで入稿しよう


「完全データ」とは、印刷会社でデータの修正が必要なく、
そのまま印刷ができるデータです。基本的にはPDFデータを指します。
PDFのバージョンは複数ありますので、依頼したい印刷会社の指示に従うようにしましょう。

またその他に、下記の通りになっているかも確認しましょう。
・サイズは希望通りになっているか
画面上で作業しているとつい拡大・縮小してみることがあると思います。
印刷会社にデータを渡す前に、
希望のサイズでデータが作れているかを確認しましょう。

・文字はアウトライン化されているか
編集ソフトで作成しているとき、テキストは文字情報を含んでいます。
そのまま印刷すると、フォントが別のものに置き換わったり、文字化けしたり、意図しない結果が出ることがあります。
それを防ぐために文字をアウトライン化(図形化)して、どんな環境で印刷しても見た目が変わらないようにしましょう。
ただし、アウトライン化することによって文字として編集することはできなくなってしまうので、変更が予想されるテキストは別でアウトライン化する前のデータも持っておきましょう。

・推奨されているカラーモードは何か
一般的に印刷で使用するカラーモードは「CMYK」ですが、印刷会社によっては「RGB」モードでも印刷可能な場合もあります。
イラストを描く前に、依頼したい印刷会社が推奨しているカラーモードを確認しましょう。

・解像度は300~300dpiになっているか
仕上がりより小さいサイズのイラストを拡大して使用するのは避けたほうが良いです。
過度に引き延ばされたイラストはその分解像度が低くなるためです。
解像度が低い画像を使うと、画面上では問題なように見えても、印刷するとぼやけてしまいます。

・命名規則に従ってファイル名を付けられているか
ファイルをわかりやすく命名し、バージョン管理を行います。印刷会社の指定をよく確認しましょう。

その他の詳細な注意事項は依頼する各印刷会社さんの指示に従うようにしましょう。

以上が基本的な注意事項です。
読んでいただいた方の中には、
「こんなに沢山注意することがあるの?」と驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
初めは1頁分のデータを作るのも難しいと思いますが、
「この本はどんな風に作られるのか」「この位置にイラストが入っているとどんな風に見えるのか」を意識して作ってみましょう。

「えほんの駅」では完全データPDF入稿用のテンプレート(illustrator対応)と仕様書をご用意しています。
また「おまかせ入稿パック」をご利用の場合は、
本番の印刷に入る前に同じ印刷・製本で作成したサンプルを1冊お渡しして確認していただきます。
(「自分で入稿パック」をご利用の場合、確認用サンプル作成はオプションとなります)
「本格なデータづくりは不安…」という方でも、安心して作成していただけます。

今回ご紹介したこと以外にも不明点や気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

それではまた!