みんなのおすそわけ レタオのおもい
むかしむかし、あるやさいばたけに、レタオというわかいレタスがすんでいました。
レタオは、となりどおしのキャベツくんや、じめんのしたにすむジャガイモくん、たいようがだいすきなナスくんと、なかよくくらしていました。
ある あさのこと。
「あっ！ たいへん！」
レタオは、キャベツくんのはっぱを あちこち かじって ちらかしているカタツムリを みつけました。
たべかけの はっぱが いっぱい おちていて、キャベツくんの きれいな はっぱが ボロボロに なっていました。
「それは よくないことだよ！」
レタオは おこって、カタツムリを おいはらおうとしました。
でも、キャベツくんは ふしぎと おこっていません。
「きっと、なにか わけが あるんじゃない？」
「そうだね。まずは はなしを きいてみようよ」
ジャガイモくんも はなしに くわわりました。
「ぼくも なにか かんがえてみるね！」
ナスくんも やってきて、みんなで そうだんすることに なりました。
カタツムリは はずかしそうに はなしはじめました。
「ごめんなさい...かぞくが びょうきで、いちばん えいようのある ところだけを みつけて たべていたの。でも、こんなに ちらかしてしまって...」
それを きいて、レタオは かんがえこみました。
「はっぱを むやみに たべることは よくないけれど...かぞくのために がんばっているんだね」
「そうだ！」
ナスくんが げんきよく てを あげました。
「みんなの あまった はっぱを わけてあげれば いいんじゃない？」
「いいかんがえだね！」
ジャガイモくんも さんせいです。
「ぼくが じめんから しめりけを とどけるから、はっぱも ながもちするよ」
こうして、やさいばたけの かげに 「おすそわけスポット」が できました。
キャベツくんは よろこんで あまった はっぱを だしました。
ナスくんは かげを つくって、きもちよく たべられる ばしょを つくりました。
ジャガイモくんは しめりけで はっぱを みずみずしく たもちました。
それからは、カタツムリのかぞくも げんきになり、やさいたちと なかよく くらせるように なりました。
そのばんの やさいばたけは、いつもより きれいな おつきさまが てらしていました。
レタオは おもいました。
「カタツムリくんの きもちが わかって よかったな。 みんなで かんがえれば、こんなに すてきな こたえが みつかるんだね」
おしまい
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