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とうがらしサンタのゆめ

ある冬の日のこと。
雪がちらちら降る公園を、小さな赤とうがらしたちが散歩していました。

「わあ、もうすぐクリスマスだね」
「ほんとだね。街がピカピカできれいになってきたよ」

とうがらしたちは、白い息を吐きながら歩いています。
すると、いちばん背の高いとうがらしくんが、ふと空を見上げて言いました。

「ねえ、みんな。考えたんだけど...」
「なあに?」
「ぼくたち、サンタクロースになれるんじゃない?」

周りのとうがらしたちは、くすくすと笑いながら答えました。

「そうだね!赤い服のサンタさんと、ぼくたちの色って似てるもんね」
「それに、ちょっとピリッとした楽しいプレゼントを届けられそう!」
「あ!ひげを生やしたら、もっとサンタさんみたいになれるかも!」

みんなで想像すると、とても楽しくなってきました。
小さなとうがらしたちは、雪の降る公園で踊りだします。

「ホ・ホ・ホ!メリークリスマス!」
「プレゼントは、おいしいカレーのレシピにしよう!」
「ぼくは、温かいスープの作り方を教えてあげたいな」

とうがらしたちは、寒い冬でも、みんなの心と体を温めることができる。
そう気づいた時、とうがらしたちの顔は、クリスマスツリーの飾りよりもキラキラと輝いていました。

その夜、街のどこかで。
赤いひげを付けた小さなとうがらしサンタたちが、
こっそりと温かいレシピをプレゼントして回ったという話です。

おしまい


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