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カリカリベーコンくんの見つけたもの
まちの小さなサンドイッチ屋さん「karikari」の厨房で、ベーコンくんは考え込んでいました。
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「やっぱり、ぼくには向いていないのかなぁ...」
カリカリベーコンくんは、特別な才能を持ったベーコンでした。火が通るとプレッと縮んで、とってもカリカリになれるのです。普通のベーコンは、火を通すとくにゃっとなってしまいますが、カリカリベーコンくんは違いました。
朝一番に焼かれると、「ジュージュー、パチパチ」という音とともに、香ばしい匂いを漂わせながら、見事なカリカリベーコンに変身します。そんな自分の特徴を活かして、きっと素敵なサンドイッチが作れるはず!そう信じていました。
でも、現実は甘くありません。
「どうして...どうしてぼくのカリカリ感が活かせないんだろう」
サンドイッチに挟まれると、せっかくのカリカリがみるみるうちにふにゃふにゃになってしまうのです。パンの水分を吸ってしまうせいでしょうか。それとも、野菜たちの重みのせいでしょうか。
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「お客様に、ぼくの本当の美味しさが伝わらない...」
ため息をつくカリカリベーコンくんの横で、レタスちゃんがフリフリと踊るように洗われ、トマトくんが丸々と輝きながらスライスされ、キュウリさんがシャキシャキと細く刻まれていきます。みんな、自分の個性を活かしてサンドイッチを美味しくしています。
「う~ん...」
カリカリベーコンくんは、自分の居場所がないような気がしてなりませんでした。そんなとき、店の外から香ばしい匂いが漂ってきました。
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「なんていい匂い!こんな風に香ばしくなれたら...」
匂いは隣のレストラン「ボナペティ」からやってきたようです。カリカリベーコンくんは、思わず厨房の端っこまで転がっていって、窓の外を覗きました。
レストランの中からは、美味しそうな料理の匂いと、お客様の楽しそうな笑い声が聞こえてきます。
「あそこなら...もしかしたら...」
カリカリベーコンくんの心の中に、小さな期待が芽生えました。でも、サンドイッチ屋さんの看板メニューになるという夢は、このまま諦めなければいけないのでしょうか?
(つづく)
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