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手塚治虫 「正義か そんなもんはこの世の中にありはしない」 #04
ブラック・ジャックを呼んだ難民キャンプの
医師に対して、アラブの難民キャンプで難民
のために略奪を働く強盗団の首領ルペペの
手術をしたブラック・ジャックが放った一言
です。
1.「正義か そんなもんはこの世の中にありはしない」
ルペペの行為を「正義のための強盗だよ」と
難民キャンプの医師が発言したことに
対しての言葉でした。
これは、手塚先生が少年時代に戦争を経験
してきたからこそ出てきた言葉だと
思います。
現代人が、哲学対話で「正義とは」という
テーマについて話し合う、戦争体験して
いないからこそ、出てくる言葉もあり、
「戦争はいけない」という議論をする
意味がない、という事ではありません。
戦争経験者の言葉を直に聞く、ということの
方が、よりリアルな言葉で、生々しく感じる
ことが出来てしまう、という点において、
戦争体験者が描く漫画に価値があると
考えるべきかなと思います。
そして、連載当時、これが少年誌で掲載
されていたのだから、さらに驚きです。
2.イスラエルとパレスチナ・・・
取り上げたエピソード「約束」のモデルとも言える、イスラエルとパレスチナの対立などはもっとも激しい例だろう。
ブラック・ジャックの連載自体は
1970年代で、このブラック・ジャック
語録が出版されたのは2003年なので、
少なくとも50年以上経った今も、
イスラエル問題は全く解決していない
状態です。
これはこっちにとっては正しいけど、相手や周囲には迷惑だからやめよう、とみんなでちょっとずつ行動を控えることができたら、お互いにもっと暮らしやすくなるんじゃないだろうか。
解説の最後はこのような言葉で
締められていました。
国同士の戦争、会社内での上司と部下
との関係など、どの場面でも言えること
だと思います。
手塚先生の言葉、少しずつ読み解けて
いけたらなと思います。