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#166 行政書士試験合格へ 記述暗記ノート(民法・物権⑤(物上代位+α))編

宅建では、権利関係の問題は、条文の
丸覚えや固定化されたQ&Aの暗記で
対応できますが、行政書士試験では、
条文などの丸暗記だけでは太刀打ちする
ことが難しくなっています。

行政書士試験の記述を書けるように
なるためには、ある程度の「慣れ」も
必要になります。


1.令和5年度の記述と平成18年度の記述は同じ内容?


令和5年度行政書士試験の記述(民法)
では「物上代位」が出題されました。

この問題は、平成18年度の試験で出題
されたものに酷似しているものでした。

(物上代位)
第304条
 先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。

「払渡し又は引渡しの前に…」という
条文ですが、記述で具体的に書く場合、
・保険金の払渡し前に…
・損害賠償金が○○に支払われる前に…
という書き方になります。

「○○金の払渡し前」のような書き方は、
慣れると違和感なく書き始めることが
できるのですが、模試や肢別を解き、
問題慣れしていないと書くことが
難しいところになります。


2.留置権や質権も押さえたい…


物上代位」は、一応、民法の先取特権の
章の中で登場するものなので、過去の行政
書士試験の記述で先取特権から2回出題
されたことになります。

その周辺で習う所で、記述で出題されて
いるのは抵当権(平成23年度出題)ですが、
それ以外で出題があるなら、留置権や
質権について暗記ノートに記していました。

Q:留置権の成立要件とは?
A:①債権と物との牽連性
 ②債権が弁済期にあること
 ③留置権者が他人の物を占有していること
 ④占有が不法行為によって始まった場合ではない

(留置権の内容)
第295条
 他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。
2 前項の規定は、占有が不法行為によって始まった場合には、適用しない。

Q:留置権の不可分性とは?
A:債権の全部の弁済を受けるまでは、留置物の全部についてその権利を行使することができる

(留置権の不可分性)
第296条
 留置権者は、債権の全部の弁済を受けるまでは、留置物の全部についてその権利を行使することができる。

Q:質権の対抗要件とは?
A:動産質の場合、継続した質物の占有。
 不動産質の場合、質権設定の登記。

(動産質の対抗要件)
第352条
 動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができない。

(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
第177条
 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。


3.まとめ


297条の「留置権者による果実の収取」
参考書で記述に出るかも、という所になって
いましたし、298条の「留置権者による
留置物の保管等
」も条文を読めば読むほど
怪しく見えてきて、きりがなくなります。

択一でAランクなので、絶対に覚えなければ
ならない所をまずは押さえ、

「+αで余力があればここも一応、
後から見返すようにしようかな」

くらいのスタンスに留めておくのが
心の安定にはちょうど良いと思います。


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