見出し画像

#165 行政書士試験合格へ 記述暗記ノート(民法・物権④(共有))編

たまにしか出題されない割に、出題された
ときには、浅い知識だと解けない問題が
とても腹立だしかった思い出があります。

私にとって「共有」がそれに当たります。


1.「共有」は改正されています…


令和元年度行政書士試験の記述(民法)
には、「共有」が出題されました。

令和元年度試験は、民法改正前の出題だった
ため、今後いつ、改正後の「共有」からの
出題があっても対応できるようにして
おかなければいけません。

(共有物の変更)
第251条
 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。
2 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、当該他の共有者以外の他の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判をすることができる。

(共有物の管理)
第252条
 共有物の管理に関する事項は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。共有物を使用する共有者があるときも、同様とする。
2 裁判所は、次の各号に掲げるときは、当該各号に規定する他の共有者以外の共有者の請求により、当該他の共有者以外の共有者の持分の価格に従い、その過半数で共有物の管理に関する事項を決することができる旨の裁判をすることができる。
一 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
二 共有者が他の共有者に対し相当の期間を定めて共有物の管理に関する事項を決することについて賛否を明らかにすべき旨を催告した場合において、当該他の共有者がその期間内に賛否を明らかにしないとき。
3 前二項の規定による決定が、共有者間の決定に基づいて共有物を使用する共有者に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
4 共有者は、前三項の規定により、共有物に、次の各号に掲げる賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利であって、当該各号に定める期間を超えないものを設定することができる。
一 樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃借権等 十年
二 前号に掲げる賃借権等以外の土地の賃借権等 五年
三 建物の賃借権等 三年
四 動産の賃借権等 六箇月
5 各共有者は、前各項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。

保存行為(252条但書):単独
管理行為(252条本文):持分価格の過半数
変更行為(251条)  :全員の同意

大きくはこの3つに分類されるのですが、
変更行為の中でも「その形状又は効用の
著しい変更を伴わないもの
」に関しては、
全員の同意は必要ではなく、持分価格の
過半数で構わないという所は注意すべき
ところになります。

共有者が4人の場合、
過半数は3人になります。
*2人だと半数ではあるが過半数ではない

記述で出題されるのなら、「単独」や
「全員の同意」と書かせる問題は出し
にくいので、「持分価格の過半数」を
書かせると思いますが、具体的な事例を
用いて出題されるはずなので、人数を
書き間違えることだけは避けたいところに
なります。


2.「改正点」は出題されやすい…

(所在等不明共有者の持分の取得)
第262条の2
 不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当該他の共有者の持分を取得させる旨の裁判をすることができる。この場合において、請求をした共有者が二人以上あるときは、請求をした各共有者に、所在等不明共有者の持分を、請求をした各共有者の持分の割合で按分してそれぞれ取得させる。

(所在等不明共有者の持分の譲渡)
第262条の3
 不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当該他の共有者以外の共有者の全員が特定の者に対してその有する持分の全部を譲渡することを停止条件として所在等不明共有者の持分を当該特定の者に譲渡する権限を付与する旨の裁判をすることができる。

改正点である
所在等不明共有者の持分の取得」
「所在等不明共有者の持分の譲渡

ですが、行政書士試験は、改正点からは
出題されやすいため、押さえて
おかなければなりません。

「誰が」
「どのような場合に」
「どのような方法で」
「誰に対して」
請求することができるのか、
という問題に対して、

・共有者の請求により
・共有者が他の共有者を知ることができず、
 又はその所在を知ることができないとき、
・裁判所に対して

請求することができる、ということを
書けるようにしておく必要があります。

改正点である条文を知っているかどうかが
試されています。


3.まとめ

実務において、改正点を押さえることは
必至です。

「知らなかった」という言い訳をしても、
申請に対して許可を得ることはできません。

改正点が出題されやすいのは、合格後も
改正点を意識するようにという意味合いも
あるのかなと勝手に解釈しています。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?