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#170 行政書士試験合格へ 記述暗記ノート(民法・債権②(マイナー分野))編
行政書士試験における民法(債権総論)の
メジャーな所は、債権者代位権、詐害行為
取消権、保証債務、債権譲渡などになると
思います。
今回はメジャーではない所、どちらかと
いうとマイナーな所が記述で出題されて
いたので、そちらを紹介したいと
思います。
1.「金銭債務の特則」…
平成19年度行政書士試験記述
(民法)で「金銭債務の特則」が
出題されました。
択一では定期的に出題されている所で
はありますが、ポイントも絞られている
ので、ある程度、対応しやすい所に
なります。
(金銭債務の特則)
第419条 金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。
2 前項の損害賠償については、債権者は、損害の証明をすることを要しない。
3 第一項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。
択一・記述ともに、よく出題されている
のは、419条2項と3項になります。
Q:金銭債務の特則を2つ述べよ。
A:債権者は、損害の証明をすることを 必要とせず、債務者は、不可抗力を
もって抗弁とすることができない。
2.出題がほぼない「受領遅滞」…
もう1つ紹介したいのは
「受領遅滞」です。
567条2項こそ、令和4年度試験の択一で
出題がありましたが、413条がホントに
なかなか出題がありません。
(受領遅滞)
第413条 債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、その債務の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、履行の提供をした時からその引渡しをするまで、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、その物を保存すれば足りる。
2 債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができないことによって、その履行の費用が増加したときは、その増加額は、債権者の負担とする。
記述での出題は過去にありませんし、
択一でも出題がなさそうです。
ですがなぜか、各参考書ではページ数を
確保して紹介され、模試でもまあまあな
頻度で出題されています。
そのため、私の暗記ノートにも
記載していました。
Q:受領遅滞の要件とは?
A:債務の本旨に従った履行の提供があること。債権者が受領を拒絶するか、または、受領不能であること。
Q:受領遅滞の効果とは?
A:①同時履行の抗弁権が消滅する。
②債務者の善管注意義務が自己の財産に対するのと同一の注意義務へと軽減される。
③増加費用は債権者の負担となる。
④受領遅滞中の履行不能の場合、履行不能につき双方に帰責性ないときは、履行不能は債権者の責めに帰すべき事由によるものとみなされる。(567条2項)
3.まとめ
記述で書く際には、「主語」をしっかりと
書かなければいけません。
暗記をする際に意外と見落としがち
なのが、「主語」です。
「金銭債務の特則」では、
「損害の証明をすることを必要とせず、
不可抗力をもって抗弁とすることが
できない」
この部分だけを暗記している場合、
記述で主語を書けなくなります。
暗記をする際には、民法、行政法に限らず、
「主語」は意識しておいた方が良いと思います。