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#168 行政書士試験合格へ 記述暗記ノート(民法・債権①(債権譲渡))編

行政書士試験における民法(債権総論)の
記述では、債権者代位権、詐害行為取消権、
保証債務、債権譲渡などが出題されています。

中でも「債権譲渡」は、何故か択一では
出題されないけれど、記述では出題され、
かつ複数回過去に出題されている、
という特殊な存在になります。


1.債権譲渡の対抗要件…

平成20年度試験では、「債権の譲渡の
対抗要件」が出題されました。

(債権の譲渡の対抗要件)
第四百六十七条
 債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)は、譲渡人債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。

Q:譲渡人と譲受人との債権譲渡の合意に
  ついて、譲受人が債務者に対して
  直ちに支払いを求めることができない
  理由とは?

A:債務者その他の第三者に対抗するには、
  譲渡人債務者に通知をし、又は
  債務者が承諾しなければならないから


2.確定日付のある通知・承諾を共に備えた譲受人相互の問の優劣…


択一で過去に出題されたことのない問題を
記述で出題させる場合、条文をそのまま
問うものが多い
ですが、「債権譲渡」
ところで重要だとされている判例がある
ので見ていきたいと思います。

最判昭49年3月7日の第三者異議事件です。

 指名債権が二重に譲渡された場合、譲受人相互の問の優劣は、確定日付ある通知が債務者に到達した日時又は確定日付ある債務者の承諾の日時の先後によつて決すべきである。

最高裁判所 裁判例結果詳細 裁判要旨

指名債権の二重譲渡と優劣の基準
ついて判示されたものになります。

Q:指名債権が二重に譲渡された場合の
  譲受人相互の問の優劣の基準とは?

A:確定日付ある通知が債務者に到達した
  日時又は確定日付ある債務者の承諾の
  日時の先後。


3.確定日付のある譲渡通知が同時に債務者に到達…


2つ目の判例は最判昭55.1.11の
譲受債権事件です。

指名債権が二重に譲渡され、確定日付のある各譲渡通知が同時に債務者に到達したときは、各譲受人は、債務者に対しそれぞれの譲受債権全額の弁済を請求することができ、譲受人の一人から弁済の請求を受けた債務者は、他の譲受人に対する弁済その他の債務消滅事由が存在しない限り、弁済の責を免れることができない。

最高裁判所 裁判例結果詳細 裁判要旨

指名債権が二重に譲渡され確定日付のある
各譲渡通知が同時に債務者に到達した場合

における譲受人の一人からする弁済請求に
ついて判示されたものになります。

Q:指名債権が二重に譲渡され、確定日付の
  ある譲渡通知が同時に債務者に到達した
  場合の譲受人の一人から弁済の請求を
  受けた債務者の責任とは?

A:他の譲受人に対する弁済その他の債務
  消滅事由が存在しない限り、弁済を
  しなければならない。


4.まとめ


紹介した判例は、いずれも過去に
択一での出題はありません

ですが、どの参考書でも記載されています。

1度も出題されていないにも関わらず、
参考書に記載されているから重要なのか、
重要だから参考書に載せてあるのか…

債権譲渡が今後も、択一では出題されず、
数年に1度、記述で出題されるのであれば、
やはり「重要な所」になります。

模試でも掲載されていることが多いので、
準備はしやすいと思います。

記述にどれくらい時間を割くべきかは、
迷うところですが、これだけは暗記して
試験に臨みたい、という所は全部暗記して
本試験に臨みたいところです。

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