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#171 行政書士資格取得後 【登録をするかどうか】編

行政書士試験合格後、登録をする人の
割合は、およそ37.7%
です。

令和3年度の合格者数5353人
(行政書士試験研究センター:
「行政書士試験結果の推移」より)

令和4年度中の新規登録者数2017人
(総務省:「行政書士の登録状況」より)

この数字から算出しました。

実際には、令和3年度試験以前に試験合格を
した方も含まれていますので、正確な数字は
出ないのですが、おおよそ例年40%前後
ようです。


1.登録費用+年会費が高い…


この統計から、合格した方の半数以上は、
登録をしていないことが分かります。

社労士や司法書士を行政書士試験合格後に
目指し、メイン業務社労士、司法書士
業務
にするのであれば、確かにそれらの
資格取得までは登録する必要がありません。
(社労士・司法書士資格取得後も登録しない
パターンも、もちろんあります。)

そもそも独立する予定や、兼業する予定が
なければ登録する必要性も特にありません。

都道府県によって違いがありますが、
登録費用と年会費で20万円以上はかかる
ので、その点も登録を控えてしまう1つの
要素になると思います。


2.廃業人数が多い…


令和4年度に行政書士の廃業届を提出し、
登録抹消されたのは1054人、また、
死亡による登録抹消は193人でした。
(試験合格後、登録した人に限る)

これらの合計が1247人

新規登録者数が2017人なので、かなりの
人数が登録抹消されています。

行政書士法第2条6号による登録の方
(いわゆる公務員行政事務資格)に
至っては、登録した人数よりも廃業届を
提出した人数の方が多くなっています。

公務員行政事務資格による
令和4年度中の新規登録者数は376人

令和4年度に廃業届を提出し、
登録抹消されたのは362人、
死亡による登録抹消は74人、
合計で436人
(公務員行政事務資格で登録した人に限る)

(資格)
第二条
 次の各号のいずれかに該当する者は、行政書士となる資格を有する。
一 行政書士試験に合格した者
二 弁護士となる資格を有する者
三 弁理士となる資格を有する者
四 公認会計士となる資格を有する者
五 税理士となる資格を有する者
 国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間及び行政執行法人又は特定地方独立行政法人の役員又は職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して二十年以上(学校教育法による高等学校を卒業した者その他同法第九十条に規定する者にあつては十七年以上)になる者


3.登録者数は右肩上がり…


廃業している人数が結構多い、
という印象です。

ちなみに社労士の登録人数や廃業人数などを
調べたのですが、行政書士ほど細かく掲載
しておらず、「年度末登録者数の推移」
という右肩上がりで登録者が増えているという
プラスのイメージのものだけが社会保険労務士
白書に掲載されているのみでした。

実際のところ、行政書士の登録者数は
右肩上がり
に増え続けています。

隣接士業である、弁護士、弁理士、税理士、
司法書士、公認会計士も登録者数は
右肩上がり
です。
(なぜか土地家屋調査士だけは横ばい)

廃業人数を掲載しているばかりに、
行政書士だけが廃業率が高い、
と言われている気がします。


4.まとめ

客観的な数字だけで言うと、
「廃業者が一定数いるが、トータルでは
登録者数が増えている」

という状況です。

登録するかしないかを決めるのは、登録後に
いくらでも悩む時間があるので、受験生が
本試験前に登録について考えるのは、
もったいないです。

とりあえず難関資格っぽい行政書士の
合格という証が欲しい、という理由で
受験をし、合格し、未登録というのは
全然アリだと思っていますが、悩む人は
この先もずっと悩み続けて、結果、
登録はしないのではないかとも思って
います。

その他にも
・今のままの仕事をずっとしていくのか
・転職を繰り返すのか
・自営業をする自信がない
・社労士や司法書士の資格を取るまでは
 登録しない

登録をしない理由はいくらでもあると
思いますが、登録するかどうかは、
結局のところ、
「自分はこれから何がしたいのか」
という所になってしまうと思います。

私の場合は、
「とりあえず合格してから考える」
というスタンスで、勤務行政書士か
独立のどちらかにする、という形だった
と思います。

ある程度の腹のくくりは必要な気がします。


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