最終発表会はゴールではなくスタートライン!愛媛デジラボから繋がるDXの未来【後編】
2023年2月10日、EHIME DIGITAL TRAINING LABの最終発表会が開催されました。
前回の記事では、発表会の前半に行われたDXクイックピッチの様子をお届けしました!今回は、オンラインホワイトボードツール・Miroを使用したグループワークで取り組んでいただいた内容の発表と、運営メンバーからのメッセージをお伝えします。
▼前編はこちらから
個性豊かなデジタル生活が続々と!グループワーク・MIT賞受賞チームの発表
後半は、チームプロジェクトの発表からスタート。「大切な一人のために最高の未来を作る」をワークテーマに、オンラインホワイトボードツール・Miroを利用しながらデジタル生活を設計しました。
運営メンバーが推薦した4チームが「大切な一人(ペルソナ)がデジタルを活用して、どのような一日を送るのか」を発表しました。
N班「理想の50代の過ごし方」
子育てが一段落した頃、老後を見据えた50代はどのような暮らしを送るのだろう?という疑問からペルソナを設定したN班。リアルな人物像と夢のある生活が評価されました。
N班コメント:地元へ戻りたい大三島出身の男性をペルソナに設定し、平日は地元からリモートワークで働き、週末は家に帰って兼業農家をするライフスタイルを描いています。
出社の義務がなく、勤務スタイルを自分が選べる会社で週2回のリモートワーク。一人で暮らすからこそできる小さなコンテナハウス暮らし。DXを活用した世の中では、このような時間的余裕を持った働き方ができます。
デジタル技術を活用してリモートワークで働きながら、今後起こりうる生活面の問題や時間的拘束にも対応できるようなライフスタイルが描ければと思います。
M班「農林業を愛するZ世代女子」
男性メンバーが集まったグループで「農林業を愛するZ世代女子」に目を向けたM班。農林業の課題や女性のライフスタイルなど、このペルソナ設定から見えることは多いと高評価を受けました。
M班コメント:農林業に従事する25歳の女性をペルソナとして設定し、ライフスタイルを想像しました。管理者不在の森林管理を行いながら、ハウストマトの生産とネット販売を行っています。
自動収穫機【FARO】を使用してトマトを収穫したり、自動航空アプリやドローンを利用して広大な敷地を管理したり。体力の問題から女性一人での挑戦が難しい農林業の課題を、DXは解決します。
DXの推進によるスマート農業化によって、農業や林業の従事者が増えればと思っています。
E班「増田の理想の育児ライフ」
Miroで作成したシートに写真を入れたりリンクを挿入したりと、見やすくわかりやすい資料が評価されたE班は、育児に取り組む30代男性を主人公に置き、デジタルライフスタイルを考えました。
E班コメント:自然の中で家族との時間を大切に過ごす男性をペルソナに設定しました。
朝は近くの森へランニングウォッチをつけて走りに行き、家族と朝食を食べたら片付けは食器洗いロボットにおまかせ。
子供はメタバース空間と現実の幼稚園を併用した「メタバース幼稚園」に通学させ、海外の幼稚園と気軽に国際交流ができるようにしています。
仕事後は子供と自然の中でVRを活用した虫取りをしたり、狩猟にチャレンジしたりと、家族との時間や自分の趣味を大切にするデジタル生活を描いてみました。
B班「颯太くんのキラキラ社会人ライフ1年目」
社会人1年目で、デジタルの活用によってやりたいことを全て詰め込むライフスタイルを実現する方を想定して、一日の流れを考えたB班。
プライベートの時間を最大限楽しむために、先端技術で睡眠を2時間まで削る発想の大胆さが評価されました。
B班コメント:一人暮らしで松山に住んでいる、愛媛県庁で働く新入社員を想定しました。
睡眠時間が2時間とはいえ残業をしているわけではなく、スポーツやゲームを楽しみながらもしっかりと資産運用や自己啓発に取り組むために睡眠時間を調整しています。
VRラジオ体操に参加するために朝早くから起床する、ロボアドバイザーに資産運用のアドバイスをもらう、ウェアラブル端末で健康チェックをするなど、デジタルの活用でよりおもしろくなった世界を楽しみきる一日です。
発表の最後に、愛媛県デジタルシフト推進課の萩原係長からコメントがありました。
DXには自由な発想が一番大事だと、改めて思わされました。普段の生活で思考のストッパーを取り払うことはなかなか難しいと思いますが、自由に発想して未来を描くことは、こういった場面だけでなく、別のジャンルにおいても役に立つのではないかと期待しています。
横の繋がりを育てるために、noteを運営。デジラボ編集部より
ここで、このnoteの運営も行うデジラボ編集部からも活動の報告を行いました!
デジラボ編集部では「横の繋がりを育てる」方針のもと、DXの基礎からメンバーインタビューまで15記事ほどの記事をnoteに投稿しました。インタビューにご協力いただいた皆さま、記事を読んでくださった皆さま、ありがとうございます!
編集部メンバーが運営する「愛媛デジ女プロジェクト」についてもお話しさせていただきました!これからも、デジタルリテラシーのある女性たちが愛媛の企業さんをサポートすることによって、シナジーを生んでいきたいと考えています。
運営メンバーより総括コメント
イベントも終盤ということで、ここで振り返りの記入とディスカッションタイムを設けました。記入方法はもちろんGoogleフォーム。結果はすぐにスプレッドシートに反映され、デジタル技術をフルに使います!
発表の振り返りや意見交換としての役割はもちろん、皆さん同士の繋がりを生む機会になっていれば嬉しいです。
最後に、デジラボ運営メンバーからコメントがありました。
「DXに取り組むのは人。戻る力も大切」EHIME DIGITAL TRAINING LAB所長/植松 洋平
今の時代の流れにおいて、デジタルの活用やそのための知識をつけることは国をあげて取り組むべき最優先事項となっています。しかし、それに取り組むのは人だということを忘れてはいけません。
デジタル活用を推進する側も恩恵を受ける側も、どのような影響があるのか?DXを受け取った人はどう思うのか?想像することはDXにおいてとても重要です。
今回のデジラボでは、愛媛県の将来に対して真剣に考え、デジタル推進に向けて厚く後で下支えしてくれてる方々の存在に強く気付かされるものでした。そんな皆さんに向けて僕が一つ伝えたいのは「デジタルDXを進めていく上で大事なのは戻る力」だということです。
DXはそう簡単に成功するものではありません。導入したものの失敗してしまうこともあると思います。そんなときは「どうにかこのままやっていかないといけない」とは思わずに一度立ち止まり、戻ってみる勇気を持ちましょう。
「最初からDXがうまくいくところはない」コミュニティマネージャー/吉野亜祐美
私は普段、保育ICT推進協会として保育現場でのDX化を進めています。実際の現場に入ってツールを導入するサポートを行うことも多いのですが、植松所長同様、私も「最初からDXがうまくいくところなんてない」と思っています。DXに挑戦する人なら、誰もが失敗を経験しているくらいです。
だからこそ、全員がチャレンジ精神で取り組んでいることを横の繋がりで共有しながら「みんな頑張ってるんだ。試行錯誤しているんだ」ということがわかるだけでも、かなり救われるのではないかと考えています。
デジラボはDXに関する知識をインプットして学びにするという目的もありますが、私は「デジラボに来てもらうことを少しでも楽しみに思っていただける研修にする」ことを個人的な目標にしていました。皆さんがデジラボで育ててきた関係性を大切に、これからもDXに取り組んでいただけたらと思います。
「マインドではなく、戦闘力を身につけて」プロジェクト統括・リーダー/榎本晋作
EHIME DIGITAL TRAINING LABという名前は、トレーニングをすることで皆さんにDX戦闘能力を高めていただきたいという気持ちから名付けました。
プロジェクトが始まった当初から繰り返しお伝えしていますが、やはり僕はDXにおいて「個の力」が重要だと考えています。それが組織作りであろうとビジネス作りであろうと、ただの知識ではなく「戦闘力」として個人が力を持つ必要があるんです。
今日の発表は、メンバーそれぞれのDX戦闘能力が高まっていることをヒシヒシと感じさせるものでした。
では、次に必要なものは何か?それは「継続的、有機的な繋がり」です。力を持った人たちが繋がりを持つと、ひとりの何倍もの力が生み出せる強いチームになります。
皆さんにはまずはここで身につけたことを自分の役割として強く保持してもらい、生まれた繋がりを広げ、コラボレーションを生み出していただければ嬉しいです。
「いま隣に座っている人と仲良くなっていただき、この場に来られなかった人たちも巻き込んで、どんどんDXと皆さんの力を波及していきたい。今日がゴールではなく、今日からがスタートラインです。」という言葉でイベントは締めくくられました。
DX戦闘力を身につけた皆さんが主導となり進んでいく愛媛県のDXの未来と、メンバー同士のコラボレーションが生み出すさらなる取り組みがとても楽しみです。