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みんなでため池を守っていくための取り組み-ため池協議会の概要-

今回は,みんなでため池を守っていく(=市民参画)ことを促す組織である「ため池協議会」の概要や活動内容について紹介していきます。

ため池協議会を設置することになった背景や行政との関係性については,以下の投稿をご覧ください。


1. ため池協議会の概要

(1)ため池協議会の数

2020年3月時点でいうと,ため池協議会は東播磨県民局管内に76組織あり,協議会が関わるため池は,東播磨にあるため池の41.5%に及びます。

ため池協議会範囲_ページ_1

(2)ため池協議会の構成団体

ため池協議会の活動範囲は,集落・自治会の範囲が基本とされつつも,複数の集落・自治会にまたがって活動をおこなう協議会や特定のため池周辺を対象に活動する協議会もあります。

下の図は,ため池協議会ごとの集落数を図示したものになります。多くは1協議会=1集落の関係ですが,1協議会=2集落も比較的多いのが読み取れます。また,1協議会=12,7,6,5集落といった協議会もみられることがわかります。

スクリーンショット 2020-10-13 10.53.54

ため池協議会の構成団体は,水利組合や土地改良区,財産区といった組織に加えて,自治会が加入している協議会が大半を占めており,その他には営農組合,青年団や消防団,PTA,子供会などの組織の加入がみられます。

なお,ため池協議会の会長には,水利委員長などの水利組織役職者が就任する場合が大半です。また,多面的機能支払交付金の受け皿組織として活動しているため池協議会も多くみられます。

多面的機能支払交付金を簡潔に言いうと,集落の共同作業(草刈りや水路の清掃・補修など)に補助金を出します,そのための受け皿組織を作ってね,と言うことになります。

ため池協議会と多面的機能支払交付金の受け皿組織の関係の詳細については後日upできればと思います。

2. ため池協議会の活動内容

活動内容としては,クリーンキャンペーンや,ウォーキングイベント,かいぼり,環境保全に関する取り組み(植物・野鳥の観察会や外来種の駆除,疎水学習など),その他イベント(伝統行事,植栽活動,レンコン掘りなど)がみられます。

クリーンキャンペーンの様子(下写真)

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*参加者が100名を超えるケースも多くある

かいぼりの様子(下写真)

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貴重な植物(オニバス)の観察会(下写真)

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カヌー試乗会(下写真)

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アカミミキャッチャーの設置(下写真)

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*外来種であるアカミミガメを駆除するするために設置

小学生を対象としたため池学習(下写真)

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伝統行事(樋抜きの儀式)(下写真)

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*その年に初めて樋を抜く際,豊作・安全を祈願する

… と,いろんな活動がおこなわれています。

より詳しくは,こちらのリンクから → https://www.inamino-tameike-museum.com/

https://www.youtube.com/watch?v=dwtbULOjn0s(いなみ野ため池ミュージアムのyoutubeチャンネル)

3. 活動がもたらすポジティブな影響

これらの活動は,非農家とため池・管理者が交流する機会となっており,以下のようなポジティブな影響がみられます。

非農家からは,

ため池はみたことがあるけど,これまでは誰が管理してたのか知らなかったけれど知れた」「ため池でこんな希少な植物がいるとは知らなかった」「かいぼり楽しかった」「自分の住んてる地域のことを知る機会となった」「ため池や地域への関心が深まった」など

管理者からは

「クリーンキャンペーンを続けてきたことでため池が綺麗になった(ごみが捨てられにくくなった)」「ため池が交流の場になっているのでよかった」「ため池や自分の住んでる地域に関心を持ってもらえた」「ため池重要性を知ってもらえた」などといった声も聞きます。

4. まとめと次回のテーマ

以上にみてきたように,ため池協議会では様々な活動がおこなわれていました。

そういった機会は,交流の場となっており,ため池や地域を知るきっかけとなるなど,ポジティブな影響がみられました。

しかし,ため池協議会が抱える課題や,活動を通したネガティブな影響があることも事実としてあります。

次回は,そういった点についても書いていこうと思います。


今日はここまで。最後まで読んで頂きありがとうございました。

文責:柴崎浩平






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