クリーンキャンペーンへの参加者を増やす工夫
みなさまこんばんは。ため池のある暮らしの未来をつくる研究者,柴崎浩平(主なフィールド:兵庫県東播磨)です。
以前,「みんなでため池を守るため」に設立された「ため池協議会」の活動内容の全体的な傾向について概観いたしました(詳しくは以下の投稿)。
そのなかで,多くのため池協議がクリーンキャンペーンをおこなっていることや,東播磨全体でみると,クリーンキャンペーンは137回/年おこなわれており,参加者数はのべ8,136人に及ぶことなどを紹介いたしました。また,1回あたりの参加者数が100人を超えるクリーンキャンペーンも比較的多くおこなわれている(23回)ことなどを紹介いたしました。
今回は,クリーンキャンペーン(以下,CC)への参加者の増減や,参加者を募るためにおこなっている工夫などについて紹介していきます。
なお,以下に挙げるデータは,アンケート調査を実施して得られたデータとなっております。アンケート調査の概要は以下の通りです。
アンケート調査の概要
① 配布・回収方法
加古川総合庁舎にておこなわれた「いなみ野ため池ミュージアム運営協議
会総会」にて配布・回収(2019.7.3)
② 回答者について
回答者数:50人(45のため池協議会の代表者)
有効回答者数:48人
* 東播磨には76のため池協議会が存在(2019.7.3時点)
* ため池協議会の代表者の大半は,農家および水利組織関係者
1. クリーンキャンペーンへの参加者の増減
下の図は,「ここ2,3年のクリーンキャンペーンへの参加者の増減をお教えください」という質問を,5段階で尋ねた結果になります。
図にあるように,最も多くの人が回答したのは「3.変化なし」で58%でした。また,増えていると回答した人に着目すると,「2.どちらかといえば増えている」が28%,「1.非常に増えている」が2%となっており,それらを合わせると30%になります。これらから,30%の管理者が,CCへの参加者は増えてると認識していることがわかります。
その一方,「4.どちらかといえば減っている」が12%,「5.非常に減っている」が0%となっており,減っていると認識している方は少数であることがわかりました。
2. クリーンキャンペーンへの参加者を増やすための工夫の有無と内容
続いて,参加者を増やすための工夫の有無やその内容についてみていきます。
下の図は,「CCへの参加者を増やすための工夫をおこなっているか?」
「クリーンキャンペーンをおこなっていない」,「いいえ」,「はい」の3択で答えてもらった
その結果,「いいえ」と答えた方が51%いる一方,「はい」と答えた方も40%いることがわかりました。
また,その内容について,自由記述形式で答えていただいたところ,以下のような大きく2つにまとめることができました。
①広報の強化
…各種団体の定例会などで呼びかけ,広報チラシの作成,町内会への回覧,掲示板への貼り付け,これまで不参加でよかった人にも広報する,旗を立てて実施する
②+αの体験づくり
…参加者に手土産(記念品の配布,花の苗,焼き芋など)を渡す,子供向けイベントを合わせておこなう
3. まとめ
以上,クリーンキャンペーンへの参加者の増減や,参加者を募るためにおこなっている工夫についてみてきました。その結果以下のことが言えそうです。
クリーンキャンペーンの参加者は,変化なしあるいは増えていると認識している管理者が大半を占めている。また,候補者を募るにあたっては,広報の強化や参加者に手土産を配布する,イベントとともに実施するなどの「+αの体験づくり」をおこなうといった工夫がなされている。
文責:柴崎浩平