見出し画像

WISHING03/14/24 日本人の貧乏根性が麻疹(はしか)の流行を無駄に拡大させる可能性

少し前に学んだように、感染症の流行拡大は、まるで火災が広がっていくのに似ています。小さな火の粉が周囲に広がって、指数関数的に拡大していくのを、幾度となく目の当たりにしてきました。

火災の広がりを防ぐには、初期消火に利用可能な全ての資材と労力を投入すべきことは明白です。2021年にコロナ・ワクチンがせっかく利用可能になったのに、誰が言い出したのか、火の手から一番遠いところにいる高齢者から順番に小出しに接種し、火の粉を拡散させている生産年齢世代の接種を後回しにしたために、当時の感染波を拡大・長期化させてしまったことは、誰の記憶にも新しいはずです。生産年齢世代に一気に接種を進めることでようやく感染波を抑えることができました (1218)。

今まさに、麻疹の火の手が上がっています (1219)。
ところが、これまた誰が言い出してるのか、麻疹ワクチンの供給元で出荷が調整されており、現場では接種需要に応えられない状況になっています。

法律で定められた定期接種者である1歳児と年長児への接種に限って接種を進めてほしいからというロジックのようです。

実際には、この3週間、該当する子供たちへの接種を積極的に声高に進めても、切迫感のあるレスポンスはほとんどありません (1220)。
2021年から2023年に接種率が低迷していたのは、世界でもそうですが、ワクチン・へジタンシーと呼ばれる、接種に積極的になれない理由が、その親世代にあったからだと推測されます。したがって、彼らに接種を呼びかけ続けたところで、少なくとも近々に彼らの接種率を高めることは不可能です (1221)。

現場で実際に麻疹ワクチン接種の呼びかけに応じているのは、生産年齢世代です。彼らは、自分に免疫があるかどうか積極的に調べ、積極的に接種しようとしています。

コロナウイルスを社会の隅々まで運び広げたのは、紛れもなく、活動範囲と交流範囲の広い生産年齢世代でした。同じように、外国から持ち込まれた麻疹ウイルスに接触して、社会の隅々にウイルスを行き渡らせるのも、やはり彼らです。彼らが火の粉を長屋の向こう側まで運ぶのです。地域でのアウトブレイクは、元々活動範囲の狭い子供たちの住む地域に、大人がウイルスを持ち込むことによってはじめて起こります。

麻疹流行開始時期である今、最も合理的かつ効果的にワクチン接種を進めるべき対象者は、自ら進んで接種しようとしているこの生産年齢世代の人々だと考えられます。

パンデミックで何も学ばなかったのでしょうか?根っから染みついた「もったいない」が至上命題の日本人の貧乏根性のせいで、今年4月や6月に期限切れになる生ワクチンを倉庫に山積みにしたまま、結局は廃棄処分する羽目にし、次は麻疹の感染波を無駄に拡大・長期化させる愚を犯すことになるだろうと考えられます。

(1218)

(1219)

https://www.niid.go.jp/niid//images/idsc/disease/measles/2024pdf/meas24-09.pdf

(1220)

(1221)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?