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東博特別企画展に見るアラビア文字の美しさ

※ヘッダーの画像は ミフラーブ・パネル/中央アジアまたはイラン(ティムール朝)14〜15世紀

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東京国立博物館にて開催中のマレーシア・イスラーム美術館精選特別企画「イスラーム王朝とムスリムの世界」を観てきました。
展示室2つ分の比較的小規模な展示ですが「特定の国家や地域によらない、世界規模のイスラーム美術」(公式サイトより)を比べて見られるのが大きな特徴です。
その中から「文字」に焦点を当て、私が個人的に「アラビア文字!なんて美しい文字!」と思ったものをメモ代わりにまとめたいと思います。

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クルアーン(クーフィー体)/地中海東岸地域(アッバース朝)8〜9世紀
犢皮紙に書かれたクルアーン第11章「フード」35節です。
「図説アジア文字入門」(河出書房新社)によると、クーフィー体は8世紀初めには完成していた古い書法で、この名称をアッバース朝の首都であったクーファと関連づける説があるそうです。

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クーフィー体文字文皿/イラン東部 10世紀
こちらもクーフィー体。陶製の皿です。クーフィー体って直線が多くてカクカクっとした印象。皿の装飾としてハマりすぎ。美しい。

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文字文鉢/イラン(ティムール朝)15世紀
読めないので分かりませんが、この鉢と1つ前の皿はイランなのでペルシャ語なんでしょうか。文字以外の文様と溶けて混ざっていくようなデザイン。

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クルアーン(スィーニー体)/中国(清)17世紀頃
展示解説によると、アラビア文字を受容した中国において独自に考案された書法がスィーニー体で、「中国のムスリム書家は毛筆を手に文字を記した」とありました。アラビア書道では通常、毛筆ではなく竹や葦でできた硬いペンを使うと思うんですが、中国の文化圏に入ってこうなったということなんですね。

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赤絵皿/中国・広州 1878年
中国っぽい、東アジアっぽい図案の中にアラビア文字が書いてあって、こういうの本当に面白い。好きです。
皿本体にはインド数字で1295と書いてあるような……? と思ったんですが、これヒジュラ暦ですね。西暦に換算すると1878年あたりみたいです。

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粉彩皿/中国・広州 19世紀末
これも図案は中国っぽい! と思ったんですが、2頭描かれた謎の動物があまり中国っぽくない雰囲気だと思うんですよね。獅子かな?
もう本当に全然読めないんですが、文字の1つ1つが独立形で書いてある(?)ように見えて不思議な感じがします。一番下の段の連続した ن(ヌーン)みたいなものは何ですか?

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アラビア文字教本写本/トルコ(オスマン朝)1735〜36年
素敵すぎる教本だなぁと思います。でもこれ見ると挫折したアラビア文字へのプレッシャーが……。

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スルタン・アブドュルハミト2世花押入り勅令/トルコ(オスマン朝)1896年8月
オスマン帝国の公式書体ディーワーニー体で記され、写真では見切れてしまっていますが上部にあるのが石版画で刷られた花押(トゥーラ)だそうです。花押って戦国武将とかが書状で使っているイメージですが、イスラム文化圏にもあるんですね。

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スルタン・マフムト2世花押入旗/トルコ(オスマン朝)19世紀
絹だそうです。紙もいいけどこういう布とか糸の質感もたまらないなぁ。文字で囲まれたデザインの一部だけを撮ったので、たぶんこれ文字が逆さまですよね。

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鉄鋏/トルコ(オスマン朝)20世紀
最後に、アラビア書道の道具のコーナーに展示されていた、持ち手のデザインに文字が組み込まれたとても凝ったハサミです。こういうのときめく。


今回「文字」にテーマを絞ったので載せていないものも多いですが、他にも螺鈿や寄木、象牙の象嵌だとか目を引く工芸品がたくさんありました。宝飾品に使われた金属、宝石などは見た目の派手さが楽しいです。凝った装飾の短剣や銃なども資料用にたくさん写真を撮ってしまいました。

マレーシア・イスラーム美術館精選 特別企画
「イスラーム王朝とムスリムの世界」

2021年7月6日(火) ~2022年2月20日(日)
東京国立博物館 東洋館 12室・13室(総合文化展の料金で観覧できます)

よかったら、ぜひ。

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エハガキ華
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