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大学退部(中退)→Bリーグの流れについて思うこと

先日、筑波大学3年の小川敦也選手が大学のバスケット部を退部(大学には在学)して、宇都宮ブレックスに加入することがリリースされた。

1年ほど前には、東海大学の金近廉選手がワールドカップを目指すために、東海大学を中退して千葉ジェッツに加入し、そのまた1年前には、同じく東海大学の河村勇輝選手が中退して、横浜ビーコルセアーズに加入している。

他にも、3年生くらいで大学のバスケットボール部を退部して、Bリーグに挑戦するという選手がかなり増えている(ここ5年くらいで増えた印象)

それまでは高校を卒業したら大学に進学し、4年間プレーした上でトップリーグに加入するという流れがほとんどであり、より才能のある選手はNCAAに挑戦したり、高卒でトップリーグに入る選手もいたが(川村卓也、津山尚大、ダシルバヒサシくらい?)大学を途中で辞めてプロになる選手はほとんどいなかった。

その流れの先駆けになったのは、2018年の拓殖大学の岡田侑大選手かと思う。

そんな中、昨年の金近廉選手のリリースの際に東海大学の出した声明が議論になっていた。

この声明に対しては、賛否両論様々な意見が出ていた。

「2年連続でエース級(河村、金近)がシーズン前に引き抜かれるから、納得」
「本人の意思なんだから、余計なことをいうべきでない」
「良い選手集めてるんだから、縛るんじゃない」(これが多かった)

個人的にはこのような意見と少し見え方、考え方が違ったので書いていきたい

才能ある選手が早めにプロ選手になる決断をすることについて

個人的な考えとしては、才能ある選手が他の選手よりも早く上のステージに立ち位置を移すことについては大賛成である。

人によって成長のスピードに差があるし、早熟な選手は早めに上のステージに上げて、成長が追いつかれたときに戦える武器を身につけるべきであるし、晩熟な選手は身体の成長に合わせた環境で、自分のペースに合わせて焦らず成長していくことが大切である。

ただ、才能、能力があったとしても、フィジカル面が仕上がっていないと、次々に試合がやってくるシーズン中の加入では、じっくり鍛えて備えることができず、疲労も重なり怪我の危険性もあるので慎重に考えたい。

大切なのは、自分の成長に最適な環境に身を置くことである。

東海大学の声明と世論の乖離

東海大学が出した声明は、世間には違ったように解釈しているような気がする。
何も、「せっかくリクルートしたんだから、4年間やるべき」とか、
「途中で戦力を引き抜かないでくれよ」
といったような安直な意味で声明を出していないと思う。

東海大学の出した声明には以下の点に気をつけないと、誤って理解してしまうと思う。

1.制度の設備
NCAAでは、NBAにドラフトされるような選手であれば、4年間大学でプレーすることは少ない。
これは選手の若さ、将来性が評価項目にもなるし、なにより1年プレーしただけで、十分戦力になる力をつけているからである。
そのため、「One and done]と呼ばれる1年だけプレーしてNBAに進むことが当たり前であり、ドラフトにエントリーして指名されなかった選手が復学できるようになっている。

大学側も、有望選手がいなくなることが前提として活動しているため、底に不都合は生じない。

しかし、日本の場合、退部、退学してBリーグに進む流れができたのは最近であり、その制度が整っていないように感じる。
金近廉選手のリリースも、大学の新シーズンが始まった後の突然のものであり、(直前のツクバライブも出場している)突然の退学であったことは想像できる。
本人の引退後のキャリアも含め、制度、環境が整っていない状態で突然辞めてしまう危険性を言及しているのかと推測する。

2.学校側とバスケット部の関係性
大学バスケにも最近ではスポンサーが増え、東海大学では、サンクロレラやロックアイスとスポンサー契約を締結している。
スポンサー側からすると、知名度の高いスター選手がいることも、スポンサーとなる大きな理由であるし、宣伝効果にもなる。

また、地域密着を謳っている東海大学バスケ部は、ホームゲーム時に小田急電鉄と連携したりと、部内のみならず、部外との関係も深めている。
学校側との関係性でも、試合で結果を残すこと、知名度をアピールすることが、学校の宣伝にもなり、スポーツ推薦や学費免除、その他の援助の対価となっている。

動くお金の量も増える大学の部活動になると、部内だけで運営をするのには限界があり、学校側やスポンサーの援助で運営をしていくものだが、学校から多大な援助(学費、推薦、環境、)は、その選手が勉学に励み、アスリートとしての成長、部の躍進を期待してのものであり、突然辞めてしまっては、学校側との関係性も難しくなる。
(指定校で進んだ学生の成績や中退等で母校の推薦枠に影響が出るイメージ)
このような大きなお金が動く部だからこそ、NCAAのように、途中でBリーグに進むことも含めた制度、環境を整えてほしいと訴えているのだと思う。
決して「途中でプロになるな!4年間やれ!」ということを言いたいのでは無いと思う。

3.勉学面
東海大学とは少し話が変わるが、大学は4年間で授業を受け、単位を取得して学位を取り、卒業することが前提である。
NCAAでも成績が悪い選手はレッドシャツになって活動できなくなったり、勉強の面はかなり厳しいと聞く。
しかし、現状4年間大学でバスケットをしてBリーグに進む選手も、実は単位が取れず卒業していなかったり、最近でも3年大学に在学して、0単位で中退してBリーグに入った選手がいるとも聞く。

ここ最近、日本でも成績が悪い選手は、半年間活動できなくなる流れができつつあると聞くが、しっかり授業を受けて単位を取ることが前提の大学に対して、授業にいかず部活だけ参加して、辞めてプロにいく選手がいることが問題だと感じる。
筑波のように、3年までしっかりと勉強し、単位が取れていて卒業が見えれば退部を認める(小川敦也、馬場雄大のように)のは理想的であると感じる。

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