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築30年以上マンションの購入で失敗を防ぐ5つのポイント
※この記事はNewsPicksトピックス「ロジカル不動産」で連載された記事を引用しております。最新記事はこちらからお読みください。
本日はこのテーマ。
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現在中古の取引は年々増えており、近年は首都圏の中古マンション購入が新築マンション購入件数を上回って久しいです。
同時に、マンションの築年数は徐々に上がっていきます。2030年には、中古住宅の平均築年数は29年になるといわれてます。
すなわち、多くの方が29年以上のマンションを購入する可能性が高いということで、このトピックです。50年以上のマンションや、新耐震と旧耐震という観点での注意点もありますが、今回は30年以上といいますか、「少々築古」を買う際に気を付けたほうがいいポイントを紹介していきます。もちろん5つどころではないのですが、よく出てくる×インパクトの大きい5つということでピックアップしてみました。
リフォームの柔軟性はあるか・またリフォーム履歴を要チェック
まずはこれ。中古となると、買ったときか、またしばらくしてリフォームもしくはリノベーションをしようという話に当然なります。その際に希望のリフォームができるかというのはとても大事です。いやリフォームなんてなんでもできるんじゃない?と思われがちですが、そんなことはない。特に古いマンションほど制限があることが多く、ここは注意ポイントです。
例えば、無垢のフローリング材が使えない。もしくはフローリングがNGというマンションもあります。遮音等級という指標があり、XX以上じゃないと、、というマンションもあります。もしかしたらご存じかもしれませんが、クッションフローリングといって、ちょっとふわったとした材は、その遮音性が高い奴ですね。
その場合無理してフローリングにしたい場合、床を浮かせて作らないといけなくなり、結果として天井高が減ってしまったりします。
また、構造壁といわれるマンションの耐震上壊せない壁というのも存在し、それによって間取りやリフォームに大きく制限が出てしまうこともあります。おおよそは管理規約で確認ができますので、あとで知って残念、、がないようにしましょう。
加えて、リフォーム済みのマンションを購入する場合は、どこをどのようにリフォームしたのかの履歴をしっかりとチェックしましょう。例えば給湯器。20年ほどの寿命といわれていますが、前の住民がリフォームしたということで安心してたら、給湯器は変わってなかった、ということも。よく確認しましょう。
マンション全体の管理費・修繕積立金の滞納が多くないか
中古マンションは管理を買えとの金言がありますが、まさにその通り。ではどうチェックしたらいいの、というと、1つ2つではないので書ききれない部分もありますが、一つクイックに確認できることはこのポイント。
これは2つの意味でNGで、1つは単純に滞納によって管理組合の経営を逼迫してしまっているということ。もう一つは、その対応に対してきちんと対応できていない管理組合の力のなさもしくは、モンスター入居者がいる可能性を示唆しているためです。
もちろん多少の滞納というのは少なからず常にあるものなので、あるからと問題ではないのですが、解決されていない滞納がある場合は要注意です。
共用部の修繕が正しくなされているか・修繕計画はちゃんと立っているか。
前提、修繕積立金は上がるものです。もちろん、新築時に安くすることで購入を促進させるという仕組みの悪はあると思っていますが、まぁおいておいて。
修繕計画はちゃんとした管理会社が入っていればしっかりと立っていますので、まずは存在を確認
。また計画の良しあしというところはどこで見るかというと、「マイナスを0にする修繕のみならず、生活の質を上げるような修繕がされている」かが重要なポイントです。
マンションという長い生き物においては、生きている間に我々の生活スタイルも変化します。例えば、昔はなかった宅配ボックスが今は当たり前になっていますし、ディンプルキーやサッシの質なども大きく変化しています。
そういった事態に対して管理組合がしっかりと向き合い、住民の生活の質を上げるために宅配ボックスが新規で設置されたり、窓サッシが新しくなったりとするような「プラスの修繕」を行っているマンションは非常に評価が高いです。一方、電気が切れているのを放置していたり、エントランス、廊下のヒビ(軽度なヒビは必ず入るので神経質になる必要はないですが)、壊れがあるようなマンションは管理意識が低いといっていいでしょう。
住民の管理への意識
上記に若干にかよるところもありますが、住民の質というのは大事です。マンションとは現代の1つの村のようなもので、確率論にはなりますが、不要なトラブルの発生が避けられる可能性も上がってきます。同時に、中古マンションとは住んでいる人が見えるという点で、実は新築マンションよりもリスクが少なかったりします。
ではどう図るかというと、①マンションの掲示板にごみの不法投棄やベランダたばこの注意書きなどでいっぱいになっていない ②廊下に住民の荷物が出ていたりしない ③ゴミ捨て場でしっかり分別されている、、などなどです。
一つでも当てはまったら絶対ダメか、、という話でもないんですが、確認はしておきましょう。
自分だけで判断せず、しっかりプロにとことん相談する
最後はこちら。もちろん自分の知識を蓄え、自身で判断できることを増やすことは大前提大事ですが、そうはいっても毎日物件を見て様々な案件に携わってきたプロの意見というのは重要です。リフォーム・修繕・管理・また築古ほどローン審査が一定厳しくもなりますので、それらに対応できる信頼できる人を見つけ、何でも相談できる仲となりましょう。
ということで5点あげてみましたが、ますます中古・築古を買うことが一般化してくるこの時代。もはや購入者の義務教育として、このポイントは最低限押さえておくべきです。
それではまた。
※この記事はNewsPicksトピックス「ロジカル不動産」で連載された記事を引用しております。最新記事はこちらからお読みください。