住宅ローン審査で落ちる理由とその対策
社会人になって、久しぶりに自分が値踏みされるような感覚、、と名高い、「住宅ローン審査」ですが、今日は「住宅ローン審査で落ちる理由とその対策」について解説していきます。
現在住宅購入を進めようとしている方で、自分は審査に落ちてしまうんじゃないかって不安を抱えている人も多いかと思います。もしくは流石に落ちることはないだろ、、と思っていても、減額や、利率が高くなってしまった、、ということは多々起きるのが実態です。特に今不動産価格が高騰している中、審査が厳しくなりやすいというのも実態です。
当社事業で1000件以上の取引に携わってきた経験をもとに、皆さんが少しでもいい住宅売買体験ができるよう、抑えるべき知識をお伝えできればと思います。
今回は事前審査にフォーカス
そもそも住宅ローンの審査にも2種類あります。それは売買契約を行う前に行う事前審査と売買契約後、引渡し前に行う本審査の2種類です。
それぞれ落ちる理由は異なるので今回は売買契約前に行う事前審査にフォーカスして解説していきます。本審査についてはまた追って書きましょう。
では本題です。
住宅ローンの事前審査に落ちる6つの理由
事前審査というのは住宅ローンの申込者が自己申告した内容をもとにして、金融機関によって簡易的に行われる審査のことです。早ければ当日に結果が分かる金融機関もあれば1週間以上審査を要する金融機関もあります。
もちろん金融機関によって審査基準が違いますので、一概に金融機関共通して落ちる項目をお伝えすることは難しいのですが、一般的な金融機関の要件や金融機関が求める申込者本人の属性の要件があるため、どこのラインで落ちる理由になりえるのかお伝えします。
こちらのその6つの理由
過去に支払いを遅延している
他の借り入れがある
借入希望額が年収や属性に見合っていない
勤続年数が短い
収入が不安定
完済時の年齢が80歳を超える
ではそれぞれの具体的な審査に落ちてしまうの理由と、対策について解説していきましょう。
1. 「過去に支払いを遅延している」
まぁそりゃそうですよね、お金を貸してくれる金融機関も過去に支払を滞納している人にお金を貸したくないですよね。なので結論からいうと、ブラックリストに載ってしまっていると基本的に事前審査を通過することはできません。
ではどうやったらこのブラックリストに載ってしまうのか、どうやったら確認できるのかをお伝えしていきます。
まず金融機関は皆さんの過去のローンの支払い状況を過去約5年にわたって確認をすることができます。例えばクレジットだったり、携帯の分割払いだったり、奨学金、車などですね。
これを確認できるデータベースを「個人信用情報」と言います。
そこに
過去に支払いで遅延を繰り返したことがある
過去5年以内に債務整理をしている
といったことがあるとその「個人信用情報」に「異動」という文字が登録されます。
実はよくみなさんが耳にするブラックリストというのはこの「異動」の事なんですね。
ちなみに数日の遅延であれば、「異動」ではなく「遅延」として登録されます。
遅延の場合ももちろん金融機関から悪い心象として捉えられるので、審査が通らなかったり減額になったりするので注意しましょう。なので1つめの対策は、遅延しない、もしくはこの異動や遅延の登録が消えるまで待つということになります。ちなみに消えるのは大体5年間経つと登録が消えます。
もし、心配で自身の信用情報を確認したい場合は「信用情報機関」に500円~1,000円ほどの手数料を支払うことで、簡単に取り寄せられます。信用情報機関は3種類あり、それぞれの取り寄せ方法と手数料はこちらのとおりです。
【銀行系】全国銀行個人信用情報機関(JBA)
JBAのHP上から郵送請求可能
請求手数料は1,000円(税込)
【カード系】株式会社シー・アイ・シー(CIC)
郵送、窓口、インターネット請求が可能
窓口の場合は手数料500円(税込)
インターネットや郵送の場合は手数料1,000円(税込)
【消費者金融系】株式会社日本信用情報機構(JICC)
郵送、窓口、インターネットから請求が可能
窓口の場合は手数料500円(税込)
インターネットや郵送の場合は手数料1,000円(税込)
ちなみに対策というほどではないんですが、多少の遅延程度であれば、前もって金融機関に伝えておくことで少し印象が良くなるケースもありますし、担当の不動産エージェントにも隠さずきちんと伝えるようにしましょう。不動産エージェントも皆さんの審査を通すべく色々な金融機関と接触したり交渉したりしてくれるはずです。
2.「他の借入がある」
1では過去の借入の中で遅延や債務整理があると審査が通らないという話をしました。
では遅延などはないけど、他に車のローンや奨学金を借りてる場合はどうなるの?というケースがこちらです。
結論から行くと、他に借り入れがあると一切借りれないということはあまりありません。ですが住宅ローンとして借り入れられる金額、いわゆる「借入限度額」に影響が出てきます。
なぜかというと、住宅ローンを貸す金融機関は、皆さんについての金融情報を見ることができます。なので金融機関がその人がどれくらい借入があるのか把握できるんです。その他の借入額も合わせてあなたの属性判断をするので、他で借入があると借入限度額に影響が出てしまうんですね。
また不動産投資で借り入れをしている場合ももちろんこちらに該当してきます。不動産投資営業の場合、良くない会社だと、「事業として見られるので、住宅ローンの審査には影響でないんですよ、、」なんていって営業していたりしますが、多くの場合、区分マンションを所有している程度では事業としては見てくれませんので、借入に大きな影響が出るのが実態です。
ちなみにそれがどれくらい影響するのかは計算で回答ができるんですが、それを返済比率の計算っていいます。不動産エージェントであればだれでも計算できますので信頼ができる不動産エージェントに聞いてみましょう。
結局、他に借り入れが重なってると支払える能力があるのに、買いたい物件が買えないってことが出てきてしまいます。なので事前審査をする前に完済をするか、審査をするときに返済を行う旨を金融機関側に伝えてから、審査をすることをお勧めします。
また高い金利で借りてるものから返すと良いといわれています。金融機関は高い金利で借りている人の信用力を疑ってしまう場合があるからです。
3.「借入希望額が年収や属性に見合っていない」
見合っているとちゃんと満額借りられる、だけど見合ってないと満額は借りれず自己資金を出さなければなりません。ではどうやって見合っているかどうか判断するのか?というと、「返済比率」(略してヘンピともいいます)を確認します。
ほとんどの金融機関はこの返済比率に対して基準を持っていて、これらを計算して判断します。
返済比率というのは年収に占めるローンの年間返済額の割合の事です。
なので返済比率の計算は年間返済額÷収入で計算ができます。
具体的に言うと年収400万円で3500万円の物件を買おうとしたとき、金利2.5%、返済期間は35年とすると年間返済額は約150万円です
なので返済比率は年間返済額150万円÷年収400万円で返済比率が37.5%ということになります。
ちなみに金利が2.5%というのは、実際に借りる金利ではなく、金融機関側が指定する審査金利という金利で計算しなければならないのでご自身で計算するときは注意をしてください。金融機関によって高い低いがあり、この審査金利が低ければ低いほど返済比率を下げることができて借入限度額を伸ばすことが可能です。
また2つめの「他の借入がある」部分でも話しましたが、この年間返済額には他の借入も含んで計算しなければならないので合わせてその点注意です。
一般に返済比率が低いほど、ゆとりある返済が可能で返済比率が高ければ高いほど苦しい返済になってしまいます。 一般的に返済比率の目安は、「高くても40%以下」。
この返済比率について金融機関側は大体35%か40%という基準を持っています。この基準を下回っているのか上回っているのかで、あなたにいくらまでかそうかなという検討を金融機関側はしています。手前で説明した返済比率は37.5%でした。なので返済比率が35%の基準を持っている金融機関からは満額回答はもらえないということですね。
では「でも、どうしても高い物件を買いたい!」と思っている方の対策としては2つ
頭金を入れる
返済比率の基準が高いもしくは審査金利の低い金融機関に審査を出す
頭金を入れれば、もちろん年間の返済額が下げることができるので返済比率を下げられて審査が通りやすくなります。
次の返済比率の基準が高い金融機関に審査を出すということですが、フラット35が審査金利が安く借入限度額を伸ばすことが可能になっています。
でもこちらについては無理な返済は将来的に自身を追い詰めてしまうかもしれないので、しっかりとライフプランを担当の不動産エージェントと練って、相談して判断してください。
4.「勤続年数が短い」
実は勤務先での勤続年数が短い人は、住宅ローンの審査に不利になりがちです。
国土交通省が行った住宅ローンに関する調査でも、9割強の金融機関が「勤続年数を考慮する」と回答しています。
もし勤続年数が1年以内と短いのであれば、対策としてこの二つのどちらかを利用しましょう。
フラット35を使う
勤続年数の制限がない金融機関の住宅ローンを使う
フラット35については審査要件に勤続年数の制限が基本的にないので勤続年数が短い方でも借入可能です。ですが固定金利のみしか選択できないため金利が高くなってしまうデメリットもあります。
ですので勤続年数のみ課題なのであれば制限が緩いないしは制限がない金融機関を選択することを私はお勧めします。
常に金融機関側も審査条件というのは変える可能性があるので、本動画の中で具体的な名前を出すのは避けますが、傾向的にネット銀行にその勤続年数の制限がないことが多いです。
もし気になる方がいらっしゃれば信頼ができる不動産エージェントを見つけ、確認しましょう。優秀な方であれば必ず把握しています。
5.「収入が不安定」
これは個人事業主の方だったり、営業職で年収の中身がインセンティブの割合が高い方に言えることですね。個人事業主は、会社員に比べて景気の影響を受けやすく、「収入が不安定で、信用度が低い」という風に金融機関から判断されやすいです。
また年収が1000万あっても基本給が600万でインセンティブで400万稼いでる方に関しても収入が不安定とみられがちです。
なので対策としては、直近3年間で年収が安定しているかどうかなど、金融機関へ収入の変化について説明を担当の不動産エージェントから金融機関の担当に丁寧に説明することで信用度の回復を図ります。
またこちらについてもフラット35であれば、職業による判断はされることはあまりないので借入しやすいですが、金利としては高くなってしまうので注意が必要です。
6.「完済時の年齢が80歳を超える」
実は住宅ローンの審査で、「借入れ時の年齢」や「完済時年齢」は各金融機関の重要な要件になっています。特に完済時年齢については、多くの金融機関で「81歳未満」とされています。
年齢で引っ掛かってしまい事前審査に落ちる人もいるので、特に40~45歳前後の方は各金融機関の申込要件は必ず確認するか、担当の不動産エージェントに確認をしましょう。
そして年齢の高い方が住宅ローンを借りる際のこの完済時年齢への対策は親子リレーローンを利用する、ということですね。
もし親子リレーローンとはなんだ?という話なんですが、親子リレーローンとは、親と子の二世代にわたって返済を行う住宅ローンです。一般的には「中高年の親」と「成人した子」がともに融資を受け、親が高齢または定年退職となったタイミングで親から子へと住宅ローンを引き継ぎます。
住宅ローンの返済年数が35年だとすると、
当初の15年…親が返済
残りの20年…子が返済
というようなイメージを持っていただけると分かりやすいかと思います。
こうすることによって親子リレーローンであれば完済時年齢による不利を回避することができるので、完済時年齢が80歳以上の人でも、審査に通る可能性があります。
ですが、年齢が高ければ高いほど、住宅ローンを組もうとすると、
年金受給ができるタイミングが変更になるかもしれない
あてにしていた退職金が思ったより出ない、
健康状態に不安がある
など様々な心配も出てきてしまい、ライフプランが立てづらくなってしまうケースもあるのでちゃんと周囲と相談しながら買う買わないも含めて最適な住宅選びをしていきましょう。
と書きましたが、私個人的には、そんな子供にもローンを組ますようなプランを組むなと思っています。まぁ可能性としてあるよね、と捉えておいて下さい。返済期間を短くする・借入額を小さくするなどの手段を取りましょう。物件を売りたい立場としては、なるべく物件買ってほしいので、ローンはパンパンにくんでほしいものです。都合のいいことをいってくることがありますが、ぜひセカンドオピニオンをとるようにしてもらいたいです。
ローン選びは大事。サポートしてくれるエージェント選びも大事
はい、ということで今日は皆さんに住宅ローン審査、落ちる理由、通らない理由とその対策 事前審査編をお伝えしました。
銀行選びは、条件のよい人にとってはそんなに難しくないんです。ネット系で金利が安いところがほぼ正解になるので。ただ、健康状態だったり、年収の安定性などなどの要因によって難しさが出る人ほど、ローン選びの重要性と難易度が増してきます。何百とある銀行から最適なものを1人で選ぶのは不可能に近いです。そういったときはローンに強いエージェントや、ローンアドバイザーを使うのがよいですよ。
みなさんは、この記事を参考にしてぜひ賢い住まい探しをして下さいね。
それではまた。
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