意外と知られていませんが、単身・未婚カップルの方は住宅ローンの審査にひと工夫必要です
※この記事はNewsPicksトピックス「ロジカル不動産」で連載された記事を引用しております。
ほとんどの方が家を購入する際には住宅ローンを組んで家を買いますが、自分がいくらまでのローンを組めるのか、そしていくらくらいならば、将来わたって健全に返済ができるのか、そして金利はいくらか、などの資金計画は非常に重要になります。
金利をいかにして低く抑えるか、という話は今後していきたいと思いますが、今回はローンを組めるのか、という話。
基本的には年収の7-8倍はおおよそ組めると覚えておくのがよいですが、金利条件はかなり人によって変わってきます。
その中で、意外と知られていませんが、単身および未婚カップルの方は住宅ローンの審査にひと工夫が必要です。そもそも、2019年以前は、そこまで気にすることはなかったのですが、昨今留意点が増えていますのでお伝えします。
結論から言うと、単身および、未婚カップルで住宅ローンが今、昔に比べて組みにくくなっています。
結婚しているかどうかで人の与信を決めるなんて、、という気持ちになりますが、実際そうです。
「フラット35不正問題」
背景としては、2019年に発覚した、「フラット35不正問題」というところに遡ります。
この記事が詳しいのでぜひご参照を、ですが、簡単にいうと実需(自分で住む用)のローンであるフラット35を、そもそも賃貸で貸し出す目的の不動産の購入に使った。さらに、「裏技で資産が持てます!(なんちゃって住宅ローンと呼んでたりもしました)」という甘い誘い文句にのって、相場よりもかなり高い金額や、不利なサブリース契約を結びながらの不動産購入が多かったため、その後の自己破産も多く発生し、金融庁等が問題視しました。
そして、その不正ローンを組んでいたのが、20-30代の単身者に多かったことから、これらの方がローンを組む際に、「同じく投資用に回されるんじゃないか?」という懸念を銀行側が持つようになり、フラット35を始め、他の銀行の住宅ローンを合わせて、単身者がローンを組みにくくなったという背景があります。
(ちなみに、その前2018年にはかぼちゃの馬車問題なども起こっていますが、あくまで投資物件に対する問題ですが、実需用のフラット35での問題も立て続けに起こったことで、実需不動産にも発展した形になります)
そのため、未婚カップルが家を買おうをする際に、単身の状態だと与信がつかないため、不動産を購入するために籍を入れるという、「住宅ローン結婚」も発生しています。
私の見解としては、住んだあとにちゃんと住んでいるかチェックする術はいくらでもあるのだから、本当に買いたい人が買えなくないような、手前を無策に厳しくするだけではなく。後工程での抑止力が働くような制度設計をしてほしいです。
ではどうすれば?
まず、前提として、絶対組めないという話ではないです。ただ、審査上不利になることは確かです。
では単身者はどうしたらいいかというと、まず銀行の審査というものはその時の情勢や、買おうとしている物件や、銀行ごとにも審査方針が異なるため、必ずこうであるという話は残念ながらありません。しかしながら、以下の点を抑えておくことは、住宅ローンで失敗しない確率を大きく下げれますので、ぜひ押さえておきましょう
①余裕のある返済計画を。
前段で、年収の7~8倍は組めます、という話をしましたが、これは返済比率という存在があり、自分の年収の何パーセントを返済に回せるかという基準があり、全体でいくら組めるかというものが決定します。その際に、その比率パンパンで組もうとしている単身は、単身デメリットによって審査が通らなくなる可能性高まりますので、ある程度余裕のある購入計画を組みましょう
②ローンに強いエージェント・銀行提携の多い仲介会社を使う
女性単身はXX銀行が強い、、というのが実際あります。銀行ごとの審査基準や方針というものは異なりますので、物件・購入者の属性によってここの銀行を使うべしというアドバイスができるエージェントを活用することは非常に重要です。
そしても一転、銀行提携というものがあります。これはその名の通り、不動産会社と、銀行が提携してる、もう少し具体的にいうと、銀行の担当者がついており、個人情報の受け渡しに関する契約もしているため、仲介会社経由でローン審査が始められる、そして状況などの確認ができるという状態のことを指します。
こうすると何がいいのかというと、単身ながら家を買おうとしている理由担当者に対して、「こういう理由で家を買おうとしているので投資意図はないよ」、という説明をすることもできるため、そもそも銀行としても、それなりに実績がある仲介会社とした提携は基本的には結ばないため、この会社のお客さんなら大丈夫だろう、という保証もつくことになり、審査が(少しだけ)有利に進むこともあります。
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なかなか、家を買うまでローンの重要性に気づくことは少ないのですが、実はものすごいテクニカルで、そして長い目で見て大きな差がつきます。
ぜひ、上記のような知識とポイント抑えてもらって、素敵な住宅購入を実現させましょう。
それではまた。