小湊鐵道海士有木駅【車両編】
最終回は、やや(かなり?)「鉄分濃い目」です。
爽やかな午前の光の中、養老渓谷駅方面から姿を見せたのは、旧国鉄型のキハ40形。
2021年にJR東日本から移籍し、第二の人生を送っています。先頭側の車両は、JR時代の塗り分けそのまま。現時点で計5両が導入されており、おそらくこの先、小湊鐵道の主力を担うことになるでしょう。
しばらくすると、今度は五井駅方面から、別なタイプのディーゼルカーがやってきました。こちらは小湊鐵道オリジナルのキハ200形。
「ひたちなか海浜鉄道のキハ20形と、名前も雰囲気もどこか似ている…」
そう感じられた方、ビンゴです。
外観(特に「顔」の造型)に多少の違いはありますが、中身はほぼ一緒。国鉄キハ20形をベースに、小湊鐵道独自に発注したのがキハ200形になります。計14両が製造され、現在も在籍中。
主力車両として運用されているせいか、廃車は時間の問題と思われるひたちなか海浜鉄道キハ20形とくらべて、だいぶ新しく綺麗に見えます(実際の製造年も新しい)。
昭和が終わって35年。
都心部からそう遠くない首都圏で、このような懐かしい雰囲気のローカル線が走り続けている事実は、もしかしたら《奇跡》と呼べる出来事なのかもしれません。
別な話題をちょっとだけ。
カラー写真の色合いや明暗のトーンをどのように調整するかは、鑑賞者の印象を大きく左右する要素なため、なかなかに悩ましく、同時に取り組み甲斐のある課題です。
スマホのカメラにも、被写体や気分に合わせて、いろいろなカラーに調色する機能が付いていますよね。
今回の一連の投稿では、駅の風景など情緒優先のカットには、柔らかめなトーンで、青空や草木の色相が特徴的なペールカラーを用いました(いま流行りの色作りと言ってよいでしょう)。
対して、「モノ」が主役である本記事では、モニタで見た写真の色合いと実物がかけ離れていては困りものですので、なるべくストレートな(=鮮やかすぎず、かといって渋すぎず、コントラストもほどほどな)色再現・階調再現を心がけました。
その辺りにも着目してご覧いただけると、より一層、写真を楽しめるかなと思います。