見出し画像

コミュニケーションギャラリー「ふげん社」にて

下川晋平写真展「Neon Calligraphy」

作者が34歳の若さで他界したことを、まず知る。
続いて、彼が大学でイスラム文化を学び、さらに写真を学び、今回展示された作品はイランの夜の街に煌々と輝くアラビア文字のネオンを撮影したものだと知る。
アラビア文字は、それを読めない者の目には、抽象化された美しいデザインに映る。
いや、アラビア文字に限らず、世界中のすべての文字は「抽象化された美しいデザイン」であろう。だから、文字と意味は、たとえ切り離されたとしても、どちらも生命を保ち得る。
いいや。
それは果たしてどうか。単にわれわれは、文字と意味の出生の秘密を知り得ていないだけではなかろうか。
下川晋平は、中東の闇の奥から謎を十数枚掬い上げ、われわれに届けてくれた。

目黒駅から歩いてしばらくのところに位置する「ふげん社」のギャラリーを、一度訪れてみたいと思っていた。

エッジの効いた写真展や写真集、賞の創設、雑誌『写真(Sha Shin Magazine)』の出版など、近年の写真界における台風の目の一つだと思う。
店内にはブックショップとカフェが併設されていて、落ち着いた時間を過ごすことができた。

有機ジンジャーエール。お洒落で美味だった。

(訪問日:2023年3月9日)

以上で、東京展覧会巡りの記事は終了です。

東京展覧会巡りのそのほかの記事はこちら。

いいなと思ったら応援しよう!