もうすぐ冬の日が暮れる
福島盆地のど真ん中にこつ然とそびえ立つ信夫山。
「そびえ立つ」といっても、標高は300メートルに届かないので、威圧感を発している、というほどでもない。
山肌の至るところに神社やお寺やお墓や野仏やそれらの痕跡が点在……場所によっては密集しており、ちょっと異様なくらい霊的な要素に満ち満ちたお山なのだが、だからといって市民から過度に怖れられるでも、敬遠されるでもなく、ごく自然に受け入れられ、佇んでいる。
昔は大いに荒ぶっていたのかもしれないけれど、いまではすっかり歳を取って「枯れた」感じがする。
そんな雰囲気が好きで、ときどきカメラをぶら下げて訪れるのだ。
……ん、この話、前にも書いた気がするな。