マニュアル

写真はもっぱら「絞り優先オート」で撮るが、クルマはマニュアルだ。
「一度くらいマニュアル車を所有してみたい」と思い立って購入してから、いつの間にか13年が過ぎてしまった。
振り返れば「ほかに行くあてもないので福島に住もう」と暮らし始めて、すでに四半世紀が経つ。
衝動的でいながら惰性に流されやすい性格は、治しようがない。

車種はスバルのインプレッサ。
そのことを人に話すと、大抵、
「走り屋なんですね」
という反応が戻ってくる。
ドライブ中も、後ろのクルマが必要以上に車間距離を空けてついてくるケースが多い。
世の中的には、すっかりそういうイメージが出来上がっているクルマなのである。
しかし、我が家のインプ氏は、1.5リットル自然吸気の低馬力車なので、信号ダッシュで競走したら軽ターボ車にも簡単に負ける。
かと言って、燃費性能に優れているわけでは一切ない。
それでも、冬の雪道を筆頭に、「大丈夫、任せてください」と太鼓判を押してもらったかのような腰の据わった走りと、ごくたまにバシッと決まるシフトチェンジの快感が忘れられず、長い付き合いを続けている。

もうしばらく、よろしくな。

この日は雲ひとつない青空で、吾妻山と安達太良山の山頂が真白く輝いていた。