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写真展「二つの部屋」の記録

晴れの日は、晴れの光。
雨の日には、雨の光。
時々刻々と移り変わる光。


二つの部屋

本展のタイトル「二つの部屋」は、展示会場の室数を示すと同時に、自然と人工、具象と抽象、有と無のような、この世界に潜在し顕在するさまざまな対比を意味しています。
現と夢、マクロとミクロ、真実と虚偽、モノクロームとカラー……こうした対比の言葉は、辞書の見出しに数限りなく見つけることができます。それはすなわち、わたしたちが常にそのような視点で物事を見、考えている証左といえるでしょう。脳が左と右、一日が昼と夜とに分かれるように。

展示室1のサブテーマは「Entropy(エントロピー)」です。
エントロピーとは、物質現象の無秩序さを表す値のこと。
わたしたちの命は、宿命的にエントロピーを増し続ける宇宙において、混沌と秩序のサイクルをときに儚げに、ときに力強く繰り返します。

展示室2のサブテーマは「What is beautiful?」。
「美しい」は、考えれば考えるほど不思議な概念です。
わたしたちは何をもって対象を「美しい」と判断するのか。
一般に「美しい」と見なされないものに対してすら「美しい」を感じるのはなぜか。
「美しい」とは、認識の対比を乗り越えつつ、自己本来の性質(生得的なものも後天的なものも織り交ぜて)と向き合う試みを指しているのかもしれません。

「二つの部屋」が束の間、あなたの中で「一つの部屋」に生まれ変わりますよう。

◆会場:福島市写真美術館(花の写真館) 展示室1・2
◆会期:9月11日(水)~29日(日) 会期中無休
◆時間:9:00~16:30(入場は16時まで)
◆料金:無料
◆主催:福島市写真美術館(公益財団法人福島市振興公社)
 ※令和6年度福島市振興公社賛助会事業
◆協力:公益社団法人日本写真協会
◆後援:福島民報社、福島民友新聞社、福島テレビ、テレビユー福島、ラジオ福島、福島コミュニティ放送FMポコ
◆猛ふぶき氏(詩作名義:鬼りんご氏)の詩を各室に一篇ずつ掲示(写真作品とともに床に設置)
 「鬼やんまの飛行」(展示室1)
 「真空飛翔」(展示室2)
◆展示室2のBGMは、福島市出身・在住の音楽家・齋藤浩二氏による3曲
 Endless White 0:00:37
 20240325 Loop 0:42:16
 Flag Of Light 20240327Mix 0:06:43
◆9月16日(月・振替休日)に、作者と担当学芸員によるギャラリートークを2回実施
◆入場者数:約1,500名


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